区民・事業者・練馬区等がともに地球温暖化防止をめざす

第1期くらしのエネルギー・スキルアップ講座

第6回講座レポート

第一部 講義「省エネになる生活家電の使い方」

吉村 和義 氏

第二部 見学
質疑応答ほか

開催日時:平成27年12月18日(金)10時~12時
開催場所:パナソニック リビング ショウルーム 東京

第一部 講義「省エネになる生活家電の使い方」

講師:パナソニック(株)エコソリューションズ社 吉村 和義 氏

1 はじめに

 今日は、環境にやさしい「エコ」なお話をします。例えば“4R”《リフューズ(Refuse)・リデュース(Reduce)・リユース(Reuse)・リサイクル(Recycle)》という行動がありますが、私どもパナソニックは、そのような「ごみを出さない、資源を大切にする」ことを考えながら仕事をしています。さらに“省エネ”《ムダなく・ムリなく・ムラなく、エネルギーを省くこと》も重要です。

2 冷蔵庫の省エネポイント

 家庭で一番電気を使っているのは冷蔵庫ですが、一番省エネが進んだのも冷蔵庫です。この10年間で、年間消費電力が約72%も削減されました。

 省エネ行動としては、まずドアを開ける時間を短くすることで年間約160円節約できます。わずかな金額と思うかも知れませんが、小さな積み重ねでも大きな効果につながります。また、冷蔵室は詰め込み過ぎないようにしましょう。詰め込んだ場合と、その半分の場合を比べると、年間で約1,180円の節約になります。ただし冷凍庫は、逆に物をギッシリ入れる方が保冷効果が高くなり、電気代も節約になります。

 「保冷カーテン」についてのご質問がよくありますが、ドアポケットに冷気が届かなくなる可能性があること、ドアを開けるとビニールが曇って中の食品が見えにくくなり、かえってドアを開けている時間が長くなることがあります。スーパーなどのドアが無い冷蔵庫には効果があります。


真空断熱材

 冷蔵庫の省エネ技術が進んだ要因は、インバーター制御で効率良く冷やせるようになったことや、センサー技術が発達し、必要なエネルギーを見極めながら運転できるようになったことがあります。さらにウレタンの断熱材から真空断熱材に変わり、熱伝導率が10分の1に抑えられるようになりました。それはグラスウールを薄いアルミで覆ったものですが、当社が出した2001年当初は、真空管をリサイクルして使っていました。今は住宅用の廃ガラスを使用しています。断熱性能が向上して壁が薄くなったため、同じ外寸の冷蔵庫でも容量は大きくアップしました。

 当社の「エコナビ」は自動でさまざまな省エネを行いますが、とくに「収納量センサー」は、LEDの光で中の収納量の変化を読み取って、それに合わせて運転するパナソニック独自の機能です。最新の冷蔵庫では、3週間分のドアの開閉と収納量の変化を記憶して分析と予測を行い、その結果と当日の使用状況を考え合わせて運転を行います。

3 その他の家電の省エネポイント

 「テレビ」は、液晶になってかなり省エネになりましたが、さらにバッグライトのLED化で、2007年に比べて2014年のものでは年間消費電力が約62%も削減されました。待機時消費電力についてよく聞かれますが、最近は、最低限の回路しか通電させない工夫がされており、ほとんどのテレビは0.1W~0.3Wくらいです。またリモコンでOFFにしても、主電源で切ってもあまり変わらず、年間6円くらいの差ですが、主電源で切ると、その間、番組の情報等の更新ができなくなります。

 4K対応テレビとフルハイビジョン対応テレビの違いですが、例えば、当社49V型の4K対応(TH-49CX800N)とフルハイビジョン対応(TH-49CS650)では、4Kの方が精緻な画面になる分、年間で約2,000円~3,000円ほど高くなります。

 テレビにおける省エネ技術として、当社の「エコナビ」には、部屋の明るさを検知したり、ニュース番組等では音声を下げ、お笑い番組では大きな声で迫力を上げる等、観ている番組のジャンルに合わせて自動で音量を調節する機能などが入っています。

 「洗濯機」では、すすぎの回数を減らせば省エネになるか、とよく聞かれます。水量は減りますが、電気は0.1円程度のわずかな差です。またタテ型とななめドラム式の洗濯乾燥機の比較ですが、洗濯時の電気代にはほとんど差がありません。ただし乾燥時は大幅に差が出ます。タテ型はヒーター式(水冷式)、ドラム式はヒートポンプ式になりますので、タテ型はドラム式の2.5倍くらい電気代がかかります。加えてタテ型は、乾燥時に水を20数リットルくらい使いますので、水の量もドラム式の方がかなり少なくてすみます。

 「掃除機」では、現在いろいろな種類がありますが、コード付のものは消費電力が最大約1,000Wくらいあるので充電式の方が省エネになります。サイクロン式と紙パック式では、サイクロン式の方がわずかな差で、消費電力が小さくなります。掃除機の吸引力を表すものとして「吸込仕事率」がありますが、これはJIS規格に定められる目安の値で、ワット(W)を使います。

 数値が大きいほど吸引力は優れるのですが、ごみのないところでの数値なので、実際にゴミを吸い込む能力と必ずしも一致しているとは言えません。海外の数値で「ダストピックアップ率(塵埃除去能力)」もありますが、これは、じゅうたんに付いている埃を取る能力を示しますので、畳やフローリングの場合は異なります。

 「温水洗浄便座」では、洗浄水を温める方法として瞬間式と貯湯式がありますが、瞬間式の方が電気代は安くなります。ただ瞬間式は、最大時で約1,300Wぐらいかかるので、同時にいくつもの家電を使用する場合は注意が必要です。また家族が多い場合は、貯湯式では短時間に頻繁に利用すると、だんだん温水が冷たくなってきますので瞬間式の方がおすすめです。省エネ技術としては、待機電力ゼロモードや、便座暖房を瞬間に暖める省エネタイプなどがあります。

 炊飯ジャーや電気ポットは、保温時に電力を消費しますので、なるべく長時間の保温をしないことが省エネになります。

第二部 見学

1 照明・あかり

 省エネで高性能な最新LED照明の種類や組み合わせについて説明を受けました。シミュレーションルームでは、必要なあかりを効果的に組み合わせることで、優れた省エネを実現しながら暮らしを心地よく彩る「シンフォニーライティング」を体感しました。

2 エコリフォーム

 キッチンやバスルーム等の場面ごとの設備の新旧比較や、リフォームによって実現する便利なくらしについての展示を見学しました。

質疑応答

Q:以前、他社のLED照明が3年くらいで故障してしまった経験があるが、保証期間はどのくらいなのか。

A:パナソニックの場合、マークのあるものはLED電源とユニットについて5年間の保証が付いています。

参加者アンケート結果から

第一部

  • 家電と便利さが良く理解できました。参考になりました。
  • 今までの講義になかった洗濯機や温水洗浄便座の話が良かった。
  • 家電の省エネについて再考したい。

第二部

  • これからのLEDについて、どうしたら良いか分かるようになった。
  • 数年前にLED交換した時点に比べ、製品が多く選択範囲も広く参考になりました。
  • Before & Afterの展示が良く分った。
  • 将来に必要な事ですので大変参考になった。
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