区民・事業者・練馬区等がともに地球温暖化防止をめざす

地球温暖化への取り組み

日本の取り組み

 世界の科学者や各国の政府関係者が参加するIPCCにより、地球温暖化に関する研究が進み、その実態が明らかになるにつれて、地球温暖化対策への国際的な取り組みが進みました。同じく、日本でも様々な取り組みが動き出しました。

 1997年(平成9年)の京都議定書では、日本は「基準年」と呼ばれる1990年の水準から、温室効果ガス排出量を2008年~2012年に6%削減することを約束して、達成しました。

 2015年(平成27年)には、パリ協定の約束草案において、2030年度に2013年度に比べて温室効果ガスの排出量を26%減らす目標を定め、翌年には、その目標を達成するための対策・施策などを定める地球温暖化対策計画を策定しました。

 2019年(令和元年)パリ協定長期成長戦略では「脱炭素社会」を掲げて、2050年までに温室効果ガス排出量の80%削減に取り組むことが示されました。

 地球温暖化対策には、大きく分けて「緩和」と「適応」の2種類があります。「緩和」は温室効果ガス排出を抑制すること。そして、緩和を実施しても温暖化の影響が避けられない場合、その影響に対して自然や人間社会のあり方を調整していくのが、「適応」です。

 2018年(平成30年)に施行された気候変動適応法は、「緩和」と「適応」の両輪で地球温暖化に取り組むことを推進するため、温室効果ガスを減らす「緩和策」に加えて、気候変動による被害(自然災害・熱中症・農作物への影響等)の回避・軽減を図る「適応策」に関する法律が整備されました。

 2020年(令和2年)秋、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」「脱炭素社会」を目指すことを宣言し、具体化に着手しました。

 2021年(令和3年)春には、政府の地球温暖化対策推進本部の会合や気候変動サミットなどで、2050年カーボンニュートラルに向け「温室効果ガスを2030年度までに2013年度比で46%削減する」という、新たな目標を表明しました。

 その後、「地球温暖化対策推進法(温対法)」を一部改正する法案が成立し、脱炭素社会の実現に向けた「基本理念」規定を新設するとともに、温室効果ガスの「排出抑制等」を「排出の量の削減等」に改める規定部分などが、6月2日の公布と同時に施行されました。

 なお、都道府県や市町村の「実行計画」制度の拡充、地域の再生可能エネルギーを活用した脱炭素化を促進する事業(地域脱炭素化促進事業)を行おうとする事業者が事業計画を作成し、市町村の実行計画に適合することなどの認定を受けることができる制度や手続きのワンストップ化など、準備が必要な部分については、1年以内に施行されます。

2021年(令和3年)10月、政府は地球温暖化対策推進法に基づく地球温暖化対策計画を改定しました。2030年までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減を目指し、家庭部門は66%削減することになりました。

地球温暖化対策計画の改定について

出典)地球温暖化対策計画 概要(環境省)より

→詳しくはリンクをご覧ください。

日本の温室効果ガス排出状況

 日本の温室効果ガス排出量は、どのようになっているのでしょうか?

 1990年度(平成2年度)から2021年度(令和3年度)までの日本の温室効果ガスの総排出量の状況(CO2換算※注)は、下図のとおりです。

 2021年度(令和3年度)の総排出量は11億7,000万トンで、前年度の11億4,700万トンから2,300万トン(2.0%)増加しました。これは、新型コロナウイルス感染症で落ち込んでいた経済の回復等によるエネルギー消費量の増加等の要因が指摘されています。

 2013年度(平成25年度。排出量削減目標の基準年)の14億800万トンと比べると、2億3,770万トン(16.9%)減少しています。2013年度以降概ね減少傾向ですが、「2030年度までに 46%削減する」という目標のため、更なる削減が必要です。

※CO2換算:二酸化炭素(CO2)以外の各温室効果ガス(CH4:メタン、N2O:一酸化二窒素、 HFCs:ハイドロフルオロカーボン類、PFCs:パーフルオロカーボン類、SF6:六ふっ化硫黄、NF3:三ふっ化窒素)の排出量に地球温暖化係数(各ガスの温室効果をもたらす程度を CO2の温室効果をもたらす程度に対する比で示した係数)を乗じたものの合算。

日本の温室効果ガス総排出量の推移(1990~2021年度)

各温室効果ガスの排出量(1990~2021年度)

日本の部門別二酸化炭素排出量

産業・運輸・業務その他部門は減少、家庭部門は増加

 2021年度(令和3年度)の二酸化炭素排出量は、新型コロナウイルス感染症の影響からの経済の回復等により、産業部門、運輸部門、業務その他部門等で増加しています。一方、外出自粛が緩和され在宅時間の減少により、家庭部門では減少しています。 今後、脱炭素社会に向けた一層の取組が必要です。

 2021年度(令和3年度)の二酸化炭素排出量を部門別に、少し詳しく見てみましょう。( )内は 2020年度(令和2年度)との比較です。

  • 産業部門(工場等):3億7,300万トン(140万トン、0.8%の増)
    製造業の生産量の増加等による。
  • 運輸部門(人や物の輸送・運搬):1億8,500万トン(140万トン、0.8%の増)
    貨物輸送量の増加等による。
  • 業務その他部門(事務所や商店等):1億9,000万トン(600万トン、3.3%の増)
  • 家庭部門:1億5,600万トン(1,050万トン、6.3%の減)
    在宅時間の減少による電力消費の減等による。

温室効果ガス部門別排出量の推移(1990~2021年度)

【産業部門】温室効果ガス排出削減のための主な対策

 産業部門では業界団体ごとの自主行動計画が策定され、業種に対応した省エネ・省資源などが進められています。

  • 素材等の軽量化・高機能化、エネルギー効率の高い低炭素製品の開発・提供、物流の効率化、次世代自動車や公共交通機関の利用促進など
  • 工場や事業場におけるエネルギー管理の徹底、エネルギー効率の高い設備・機器の導入など
  • IoT(Internet of Things)を活用した工場のエネルギー管理システム等の導入促進など
  • 複数事業者間の連携による省エネルギーの取組の支援など

【家庭部門】温室効果ガス排出削減のための主な対策

省エネラベリング制度

 2006年から開始した製品の省エネ情報を表示するための制度。冷蔵庫、テレビ、給湯器、エアコン、照明などの家電製品の省エネ機能を5段階評価するとともに、1年間の目安電気料金が表示されています。令和3年度(2022年度)に導入された新しい統一省エネラベルの多段階評価では、5.0~1.0までの41段階の数字と★の数で表示します。詳しくは、「統一省エネラベルが変わりました」(経済産業省)「省エネポータルサイト 家庭でできる省エネ」(経済産業省)をご覧ください。

新旧統一省エネラベルの例

固定価格買取制度(FIT法)

 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。
2012年にスタート、2017年に改正され、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民の負担抑制の両立が図られました。
 →詳しくは、「固定価格買取制度」(経済産業省資源エネルギー庁)をご覧ください。

クールチョイス

 脱炭素社会づくりに貢献する製品への買換え・サービスの利用・ライフスタイルの選択など、「賢い選択」をしてくことです。
 →詳しくは、「COOL CHOICE 」(環境省)をご覧ください。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス:ゼッチ)

 断熱性能などを大幅に向上させた住宅に効率のよい設備を設置することで、快適な住環境を維持したままで大幅な省エネを実現し、さらに再生可能エネルギーによる創エネを導入することにより、年間のエネルギー消費の収支をゼロとすることを目指した住宅のことです。なお、ZEH-M(ゼッチ マンション)は ZEH の集合住宅版です。
→詳しくは、「クールチョイス エコ住キャンペーン 省エネ住宅を学ぼう」(環境省)、
なるほど省エネ住宅」(省エネ住宅消費者普及ワーキンググループ)をご覧ください。

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル:ゼブ)

 ZEHのビル版です。
→詳しくは、「ZEB PORTAL(ゼブ・ポータル)」(環境省)をご覧ください。

LED等の高効率照明

 白熱電球からLED照明へ変更するなど、従来の電球より数倍効率化をはかった照明のこと。

家庭用燃料電池

 燃料(主に水素)と空気中の酸素の化学反応により発電する装置のこと。発電するときに発生する熱を給湯などに有効利用することで、燃料が持っているエネルギーをより多く利用することができ、省エネになります。
 →詳しくは、「燃料電池」(国立環境研究所)をご覧ください。

HEMS(ホーム エネルギー マネジメント システム:ヘムス)

 家庭で使う電気やガスなどのエネルギーを管理するための機器のこと。エアコンや照明などの家電や太陽光発電設備などの電気設備を有線や無線でHEMSと接続することで、エネルギーの使用量が確認できたり、家電を「自動制御」したりできるようになります。
→詳しくは、「HEMS」(国立環境研究所)、
くらしのエネルギー・スキルアップ講座第3期第4回」(ねり☆エコ)をご覧ください。

国や東京都の各種補助事業

→詳しくは、「東京都地球温暖化防止活動推進センター」(クール・ネット東京)をご覧ください。

令和5年6月28日更新

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