平成29年度 環境月間講演会 当日レポート
何が変わったの? 太陽光発電の最新情報!!
期日:平成29年6月4日(日)
時間:午前10時~正午
場所:練馬区役所地下多目的会議室
概要
受付の様子
練馬区独立70周年の記念フラッグ
ねりねこ☆彡・ねりこんvvも
来場者をエスコート
講演会全体の様子
参加記念品の「ゴーヤの種」と
「LEDハンディライト」
国は、低炭素社会の実現やエネルギー自給率向上などのため、2012年から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT法)を導入しました。この制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束するもので、再生可能エネルギーの普及拡大を目指して推進したものです。
2017年4月、制度が大きく見直されました。私たちに身近な再生可能エネルギーの1つである「太陽光発電のこれから」について考えていただくために、講演会を開催いたしました。
第一部は、一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)公共産業事業推進部長の井上 康美 氏から、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」見直しの背景や、改正後の概要について、また太陽光発電を導入する場合や、長期にわたって安定して稼働させるための対応等についてご講演いただきました。
第二部は、練馬区環境部環境課から、再生可能エネルギーシステムや高効率機器等の設置、省エネに関わる改修費用などの補助についての説明や、練馬区の計画、事業などについての概要をご紹介いただきました。
さらに講演のあとには、参加者から寄せられた質問にお答えいただきました。
受付周辺には、練馬区独立70周年の記念フラッグが掲げられ、会場入口ではねりねこ☆彡、ねりこんvvが手を振り、来場者を出迎えたり、見送りをしました。
来場者には「ゴーヤの種」と、アンケートにお答えいただいた方には「LEDハンディライト」をプレゼントしました。
主催者あいさつ
横倉 尚 会長
ねり☆エコ横倉尚会長の挨拶
今年も6月の環境月間がやってまいりました。6月5日は、「環境の日」となっています。
1972年、今から45年前にストックホルムで行われた国連人間環境会議で、日本政府の提唱で6月5日を「世界環境の日」とすることが定められました。日本では、環境庁(現 環境省)の主唱により、翌年から1990年まで、6月5日を初日とする「環境週間」とし、1991年からは6月の一ヶ月間を「環境月間」としました。
環境月間では、全国各地で環境に関するさまざまな行事が行われております。
長い人類の歴史の中で初めてのことですが、地球温暖化対策は、地球全体で取り組むべき重要な課題となっています。現時点での到達点がパリ協定です。この新たな枠組みで、先進国も発展途上国も、それぞれの役割を果たしていこうとスタートしています。
その中で、世界共通の取り組みが2つあります。1つは、CO2排出ゼロの再生可能エネルギーをできるだけ使っていこうというものです。もう1つは、エネルギーの使い方で省エネを進めることです。この2つは、どの国や地域においても大きなテーマとなっています。
日本での再生可能エネルギーは、今のところ太陽光発電が大きな役割を果たしています。これを巡る現状と課題などについて、太陽光発電協会の井上講師からご講演いただきます。
また、練馬区では地球温暖化対策に意欲的に取り組んでおり、再生可能エネルギーを利用した機器、省エネ機器に対する設備補助が勧められています。しかし、区民のみなさんが直接説明を聞いていただく機会が少ないと感じています。本日は、練馬区環境課から区としての取り組み、設備設置補助、手続きなどについてご説明いただきます。
現状や最新情報を知っていただき、これから太陽光発電を導入したい方、既に導入している方のお役に立てたらと思います。
第一部 基調講演「何が変わったの? 太陽光発電の最新情報!!」
井上 康美 氏
講師:井上 康美(いのうえ やすみ)氏
一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)公共産業事業推進部長
【プロフィール】
1959年生まれ。電機メーカーにて太陽電池セルや太陽光発電システムの開発を行い、2013年より一般社団法人太陽光発電協会に出向、太陽光発電の普及拡大活動に従事。
まず初めに、一般社団法人太陽光発電協会についてご紹介します。
資料1
資料2
資料3
1987年設立、「太陽光発電をいかに普及していくか」ということを目的としている業界団体で、2017年4月1日現在、会員134社で構成しています。(資料1)
活動内容としては、太陽光発電を導入する際の全体の流れや、注意事項をまとめた小冊子やチラシ、太陽光発電を販売する側の基準を示した冊子などを作成しております。
その他、業界用資料として「太陽光発電システムの設計と施工」という冊子なども作成しております。数千円する本ですが、累計2万部を発行しており、隠れたベストセラーと自負しております。太陽光発電を設計される方の重要な書物として、評価をいただいております。(資料2、3)
続きまして、太陽光発電システムについてご説明します。
資料4
太陽電池は電気をためることはできません。シリコンなどの半導体で作られており、光が当たると直流電力が発電します。(資料 4)
太陽電池で作られた「直流電力」は、一般家庭の場合は、パワーコンディショナという機械で「交流電力」に変換することで、家庭内の電化製品が使えるようになります。
長所としては「光を直接電気エネルギーに変換する」、「CO2を排出しない再生可能エネルギーである」、「環境にやさしい設備」などです。発電設備工事が、数か月で行える「短工期」というのも、長所として挙げられます。
短所としては、お天気任せのため「日射量によって出力の変動がある」、ある程度の面積が必要であり「エネルギー密度が小さい」ということが挙げられます。
エネルギー変換効率は、JIS(日本工業規格)で定められています。例えば変換効率が10%というのは、太陽エネルギーのうち10%を電気エネルギーに変えるということです。その10%が「低い」という声もありますが、今まで捨てていた太陽光のエネルギーのうち、10%を使える電気エネルギーに変える、という見方もあると思います。
太陽電池の種類はシリコン系、化合物半導体(CIS)系など、様々な形で各メーカーが市場に出しております。
資料5
資料6
資料7
資料8
資料9
資料10
資料11
資料12
資料13
資料14
資料15
資料16
資料17
資料18
資料19
資料20
資料21
資料22
資料23
資料24
資料25
資料26
資料27
資料28
資料29
資料30
資料31
資料32
資料33
資料34
資料35
資料36
資料37
資料38
資料39
資料40
資料41
資料42
太陽電池の基本単位は「セル」と言い、「太陽電池セル」は、15cm角くらいの薄いシリコンの板でできています。割れやすいので、ガラスでパッケージしており、これを「太陽電池モジュール」と言い、何枚か集めたものを「電池アレイ」と言います。この電池アレイを集めたものを「アレイフィールド」と言い、太陽光発電所になります。(資料 5)
太陽光発電からの出力単位となるW(ワット)と、消費電力量の単位であるWh(ワットアワー)について、ご説明します。Wは瞬間的なエネルギーですが、Whは時間で計測します。車で例えると、時速60kmのスピードで1時間走ったら60km移動しますが、時速に相当するのがW。距離に相当するのがWhです。(資料 6)
電源別にみたCO2の排出量ですが、石炭火力、石油火力などは化石燃料を燃やすことでCO2をたくさん排出しますが、太陽光発電などの再生可能エネルギーは、設置する時のCO2の排出量だけなので、全体のCO2排出量が減ることになります。(資料 7)
発電量については、日本の場合、全国どこでもほぼ同じくらいの発電能力となります。例えば、東京都で1kWの太陽光発電システムを付けた場合、年間935kWhの電気を取り出すことができます。一般家庭の場合は、だいたい3~4kWのものを付けますので、年間3,000~4,000kWhの電気を発生することができます。電化製品の使用状況にもよりますが、4~5kWくらいの太陽光発電システムを付けたら、年間を通して全て太陽光発電で電気エネルギーは賄えるということになります。
住宅用太陽光発電システムの構成です。屋根に太陽電池を設置し、パワーコンディショナで交流電力に変換したのち家庭で電気として使用しますが、余った電気は商用電力として販売(「余剰配線」)し、足りなかった電気は今までどおり電力会社から購入します。(資料 8)
10kW以上の大きな太陽光発電システムになると、「全量配線」と言い、発電した全ての電気を売るというものもあります。
太陽光の発電量ですが、晴れた日は発電量が増えますが、曇りや雨の日は発電量が少なくなります。(資料9)
太陽光発電システムを設置する方位ですが、やはり南向きが一番良いのですが、東向き、西向きに付けたとしても、南向きの8割くらいの発電能力はあります。また、設置角度ですが、緯度傾斜30度くらいがよいと言われていましたが、最近は10~20度寝かして付ける場合もあります。また、形も長方形だけでなく、三角形のものなどもあります。(資料 10)
相談事例を幾つかご紹介します。
よくご相談いただくのが、近所の人が太陽光パネルを付けたので、光が反射して眩しいというケースです。この場合は、施工業者にご相談ください。屋根の北面に付ける場合は、隣の家に反射することが多いので、トラブルの無いように配慮いただけたらと思います。(資料 11)
また、屋根の上にたまった雪が落ちて、人や車に当たったというトラブルがありますが、実は雪国より東京の方が深刻です。(資料 12)
停電したらどうなるか?という点は、住宅用太陽光発電システムでは、専用のコンセントが設けられていますので、日中の発電している時は、それに応じてある程度の電気が使えます。炊飯器でお米を炊くことはできないかもしれませんが、テレビを見る、スマホの充電をするくらいはできると思います。(資料 13)
屋根の上に取り付けるので、汚れたらどうなるか?という点は、確かにホコリなどが表面に付くと、それに応じて発電能力は下がりますが、日本の場合は定期的に雨が降り、だいたい流されます。100%の復帰はありませんが、あえて屋根に上って掃除する必要はないと思います。(資料 14)
よく「太陽光発電システムは値段が高い」と言われますが、1997年は、1kWのシステムで100万円を超えていたものが、2013年には3分の1くらいに下がっています。確かにまだ高いものの、メーカーもコストダウンを図っています。(資料 15)
住宅に付ける3~4kWの太陽光発電システムでも、立派な発電所になりますので届け出が必要です。事故等が起きたら、責任は取り付けたオーナーが負うことになる、ということはお伝えしておきます。
太陽光発電の設置事例についてご紹介します。
一般住宅の他に、埋立処分場の廃棄物を埋めた後、土地として利用することがないことから太陽電池を設置している場所があります。また、物流倉庫の屋根、高速道路の空きスペース、野球場、牧場などにも設置されているところもあります。
また、事前質問に「建物の壁面に太陽光発電を設置したい」とありましたが、現在は、透ける太陽電池も商品化されているので、窓ガラスに貼っている建物もあります。例えば金沢駅はガラスのドームになっていますが、回廊の屋根に太陽光発電を設置しています。ショッピングモールの壁面に設置している施設などもあります。
住宅用では、遠目からみると太陽光発電とはわからない、瓦と一体型となったデザインのものなどもあります。
「農業の温室に設置することはできるのか」という質問もありましたが、農林水産省で「農産漁村再生可能エネルギー法」があります。その中に「営農継続型太陽発電設備」というものがあり、農地にも太陽光発電を取り付けることは、法律的に認められています。本来は農作物を作る場所ですので、必要最小限のところだけ農地転換して、設置する形になります。(資料 16)
次に、「太陽光発電システムの導入状況」についてです。
日本は国の目標として2015年にエネルギーをどのようにして賄うかが決められており、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーは、全電源のなかで22~24%を賄うと方針が決まっています。国として再生可能エネルギーを導入していくことは進められています。
また、太陽光発電システムの導入量ですが、IEA(国際エネルギー機関)の統計で、中国の次に日本の導入量が多くなっています。固定価格買取制度が始まった2012年以降にグンと伸びました。(資料 17、18)
住宅用の太陽光発電システムがどれくらい導入されたかをみると、日本には戸建て住宅が約2,800万戸ありますが、その内の約200万戸に太陽光発電システムが付けられており、全体の約7.2%となっています。(資料 19)
固定価格買取制度で太陽光発電システムの設置が伸びた一方で問題になったのが、設置認定量は約80,000MW(メガワット)あるものの、実際の導入量は約32,000MWと少なく、ギャップが大きいことです。原因の一つは認定されたけれど、システムの価格が下がるまで導入しないということです。このギャップをどうするかですが、法律の改正で「認定失効」という形で認定を取り消して、太陽光発電システムを作らせないという形をとっています。
次に、東京都の状況です。
固定価格買取制度(FIT法)施行後の住宅用太陽光発電システム(10kW未満)の導入状況ですが、件数でいうと東京都は約42,000件、全国の4%に導入されています。練馬区では約2,500件に導入されています。平均設置容量は全国平均が約4.5kWに対して、東京都の場合は屋根が小さいこともあり、約4kWです。(資料 20)
10kW以上の太陽光発電は数も少なく、一戸あたりの平均的な設置容量も全国の3分の1くらいになります。練馬区は約250件導入されているという状況です。(資料 21)
東京都の場合、認定量は約400MWあるので、約110MWこれから導入される方がいます。(資料 22)
次に、太陽光発電の便益についてです。
固定価格買取制度の原資は、「賦課金」という形で電気代に加算されていますので、国民負担ということで議論になっています。但し、先程述べた様に、住宅用の買取は10年で終了するので、2020年頃をピークに減少し、私たちの電気代の中で負担する金額は減ると思われます。
太陽光発電は一度取り付けたら10~20年、それ以上発電しますので、安い電源といえます。
コストについては、今は投資をする時期なのでマイナスですが、いずれ取り付けたことによる電力料金のメリットが出てきます。また、太陽光発電により化石燃料を買う量が少なくなるので、その分のお金が国内に出回り、GDP(国内総生産)も増えてくると考えられます。
太陽光発電は、今までに無かった市場を新しく作っています。固定価格買取制度が始まった2012年から売上も増え、それに伴い雇用人員数も増えました。新しい仕事を作ったということになります。(資料 23)
予想になりますが、2030年以降、太陽光発電システムを導入することで、日本で作るエネルギー量が増えてくることになると思います。
続いて、固定価格買取制度(FIT法)改正の影響です。
2017年4月に固定価格買取制度が変わりました。制度は2012年7月にスタートしましたが、再生可能エネルギーの中でも太陽光発電に偏った導入になっていること、原資は電気代に上乗せしているので、国民負担が増えたこと、太陽光発電を作ったけれども配電線に流せないなどの課題が出てきました。これらを解消するために法律が改正されました。(資料 24)
国として、再生可能エネルギーの比率を全体の22~24%にするという目標をたてているので、それも併せて法律を改正したということになります。
法律改正のポイントは「きちんとした太陽光発電所を設置してください」というところです。今までは設備に対しての認定だったのが、これからは発電事業に対しての認定になりましたので、手続きの順序も変わりました。(資料 25)
大きく変わったのは、今までは設備があれば認定がもらえていたのが、改正後は、電力会社に相談して、電気を流せるだけの余裕があることを確認して、初めて認定されます。認定基準の条件は、保守点検をしている、事業名を明記した標識を掲げる、国に届ける、廃棄の手続きを最初の段階で確約する、などです。(資料 26)
審査基準もいろいろあります。最近は少なくなりましたが、一時「分割案件」が問題になりました。これは広い土地に小さな50kWくらいの太陽光発電システムを何十個も設置する、というようなことです。これについては、過去に認定されたものはできますが、今は禁止されています。(資料 27)
また、きちんと保守点検をする、責任者は計画を明確にする、廃棄費用が計上されている。標識の掲示や土地の確保、地主と土地の売買契約を結んでいるかどうかなどもあります。関係法令として国の法律だけでなく、自治体の条例違反したものが発覚したら認定の取り消しになり、電気が売れない、発電所として成り立たないということになります。自治体としても違法な太陽光発電システムを取り締まれるようになっています。(資料 28)
2017年4月1日の法律が改正される以前に太陽光発電システムを設置されている方も対象となる改正ポイントもあります。
2017年3月31日までに電力会社と接続契約を締結していない方は「みなし認定」、要は仮免許の状態となります。みなし認定の方は2017年4~9月の間に、「事業認定」という形で届出を出していただかないと本免許がもらえませんので、最悪、認定が取り消される場合もあります。督促は何度かあると思いますが、すでに運転されている方でも影響がありますので、お伝えいたします。手続きがお済でない方は、設置業者に相談してみてください。(資料 29)
事業認定で、よくある質問です。「事業計画ガイドラインを遵守しなかった場合は認定を取り消されるのか?」ということですが、まず指導や改善命令が出されます。それでも改善されなかった場合は認定が取り消され、太陽光発電システムは使えないことになります。「みなし認定」から「事業認定」になるように手続きしていただきたいと思います。
国として「事業計画のガイドライン」を整備しています。今回の改正の大きなポイントは「保守点検をきちんとする」ということです。太陽光発電協会では、2017年12月に「保守点検ガイドライン」を作り公表しています。ホームページからダウンロードできるようにしておりますので、ご活用ください。(資料 30、31)
「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」
保守点検ガイドラインの内容は、「試験の手順」、「トラブルのときの手順」、参考資料として「定期点検の要領」や「点検方法」などの記載があります。(資料 32)
「なぜ保守点検ガイドラインが必要なのか」ということですが、固定価格買取制度では、住宅は10年間、それ以外は20年間電気を買い取ると明記されています。逆に言うと10~20年、それ以上、発電所として発電してもらわないと困るわけです。
一時期、太陽光発電はメンテナンスフリーと説明していた頃もあったのですが、適切な保守をしないとそれなりに発電しませんし、発電しないということは投資したお金が回収できませんので、適切な保守をしてくださいと呼びかけています。
今までは、太陽光発電システムを地上に設置するときのガイドラインがありませんでした。地面に対してどういったところに設置すればいいのか、「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン」を国の援助を頂きながら作成しているところです。(資料 33)
また、2017年4月に経済産業省から「太陽電池発電設備のパネル飛散防止」の注意喚起が出されました。風によって太陽電池パネルが飛ばされたというケースがありました。きちんと設計されたものなら良いのですが、ずさんな工事だったので、風に飛ばされました。飛ぶだけでは済まず、人に怪我をさせた、他人の財産を傷つけた、ということが起こっていますので、注意喚起をしています。(資料 34)
話が大きくなりますが、「電力システム改革」についてお話しします。
改革は3段階に分かれており、2016年4月に電力小売全面自由化され、2段階までは終了しております。2020年4月には発送電分離が予定されております。今は、東京電力が送電と配電をしていますが、発電、送電、配電をする会社が完全に分かれます。再生可能エネルギー拡大のための政策です。(資料 35)
どうやって買取価格を決めているのか、固定価格買取制度の仕組みについてです。
まず発電された方が電力会社に電気を売ります。その売った電気代を発電事業者に戻します。その原資は、「賦課金」という形で電気代に加算されていますので、国民が負担しています。太陽光発電システムを設置している方も、設置していない方も、実はお金を出していることになるわけです。(資料 36)
買取価格は、国の調達価格等算定委員会で、最新の実績データを基にして、10年間運転した時に損はしないけれど、あまり得もしないような値付けをしているように思います。(資料 37)
2017~2019年の3年間の「買取価格目標」を明示しています。それに合わせて、メーカーはコストダウンをしなさい、ということで、システム費用は価格が下がる方向になっています。
調達価格等算定委員会の役割としては、住宅用太陽光発電システム(10kW未満)を、2019年の3年後にkWhあたり24円にすることを最終的な目標として、2017年度はkWhあたり28~30円くらいで買い取っています。電気料金が24~25円ですので、それよりも若干高く買い取って、値差は太陽電池のために投資した費用になっています。(資料 38)
太陽光発電システムの価格は年々下がっておりますので、買い取り価格も下がっています。(資料 39)
環境月間ですので、太陽光発電と環境について少しご説明します。
パリ協定では、2030年までに2013年度比で、CO2を26%減らすことを日本も宣言しています。そのためには省エネを進めること、CO2を出さない電気として、再生可能エネルギーを増やしていくことになります。(資料 40)
IRENA(国際再生可能エネルギー機関)でも、再生可能エネルギーを導入しなければならない、という流れになっています。
省エネはもちろん重要ですが、使うべき時は使わなければいけません。「とにかく電気の使用量を減らしましょう」ということではなく、「無駄な消費は抑えましょう」ということです。エネルギーを使わなければ何も産み出しませんので、使うべきところは使う必要があります。(資料 41)
再生可能エネルギーの場合、CO2への影響はほとんどありません。太陽光発電の電気を湯水のように使っていいとは言いませんが、必要な電気は使うために再生可能エネルギーを活用してください、ということです。
将来的な太陽光発電のビジョンですが、2030年に100GW(ギガワット)、2050年には200GWの太陽光発電の導入を目指したいとしております。2002年から始まり、数年おきにビジョンを改定し、2050年までは右肩上がりで市場は伸びていくと見ています。(資料 42)
※資料42のビジョンが、後日策定されました。太陽光発電協会のホームページからダウンロードできます。
「資料 - 太陽光発電産業ビジョン 2017年6月:JPEA PV OUTLOOK 2050 “太陽光発電 2050年の黎明”(JPEA 太陽光発電協会)」
日本は100GWの太陽光発電が導入できたら供給の約10%、2050年には20%近くの電気が太陽光で発電できますので、石油を買うお金が他に回せるということです。みすみす外国にお金を回さなくても、国内でそのお金を回すことができるようになりますので、日本の活性化につながるかと思います。
最後にお話ししておきたいのが、住宅用太陽光発電システムにおける「2019年問題」です。
今は、固定価格買取制度で電気を買い取っていますが、住宅用の場合、早いと2019年に買い取りが終わってしまうものがあります。それ以降は、電気は作るが、誰がどういう価格で買ってくれるか。議論は始まっていますが、どうなっていくかは決まっていません。
10年間で、減価償却は終了します。その後は、ある種「ただの電気」ですので、電気を作り続けることで、国の富が外に出て行かず、環境にもやさしい電気が作れます。10年後に買い取りが終わっても、発電は続いていきます。
太陽光発電の保守点検を続けて、ずっと発電していただきたいというのが我々太陽光発電協会の願いです。
第二部 練馬区の取り組み・補助金等
説明:練馬区環境部環境課
資料1
まず初めに、平成29年3月に策定した「練馬区環境基本計画2011(後期計画)」(以下「後期計画」という)について、ご説明いたします。(資料1)
「後期計画」策定の経緯ですが、練馬区の環境保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進のため、平成22年12月「練馬区環境基本計画2011」(以下「基本計画」という)を策定しました。計画期間は平成23~30年代初頭までとして、具体的な施策に取り組んで参りました。また、練馬区の温室効果ガス排出量を抑制するための個別計画として、平成21年3月「練馬区地球温暖化対策地域推進計画」を策定し、「基本計画」と一体的な推進を図って参りました。
その後、区政運営の方向性を明らかにするものとして、平成27年3月「みどりの風吹くまちビジョン」を策定いたしました。このビジョンを実現する工程を示すものとして、平成27年6月「みどりの風吹くまちアクションプラン」を策定。また、住宅都市練馬にふさわしい自立分散型エネルギー社会を目指すため、平成28年3月「練馬区エネルギービジョン」を策定しました。
一方、国や東京都の環境行政においては、東日本大震災後の社会的背景の変化に対応した新たな環境基本計画が策定されました。また、温室効果ガス排出量の削減目標についても、新たな国際的な枠組みや、わが国のエネルギー政策に対応した目標へとそれぞれ刷新されました。
「基本計画」は、策定されてから6年が経過し、様々な背景の変化、各種計画との整合性を図るために、平成29年3月「後期計画」として策定しました。
資料2
「後期計画」は、練馬区環境基本条例に位置づけられる環境の保全に関する基本的な計画に相当します。また、「みどりの風吹くまちビジョン」を環境面から推進する下位計画としての位置づけであります。(資料2)
加えて、「練馬区地球温暖化対策推進計画」を「基本計画」の改定に伴い、「練馬区地球温暖化対策実行計画」として包含しました。同時に環境の保全に関する施策を推進するための個別計画の体系化を担う計画となっております。また、関連計画も環境関連施策として体系化しております。
期間は、従来の「基本計画」の対象期間と、「みどりの風吹くまちビジョン」を踏まえて、平成29~31年度の3か年としました。
資料3
資料4
「後期計画」では「環境都市練馬区宣言」、それと上位計画である「みどりの風吹くまちビジョン」における区の目指す姿や目標を踏まえ、望ましい環境像を「みどりの風吹く豊かな環境のまち ねりま」と定め、環境面からのまちづくりを推進することとしました。(資料3)
望ましい環境像を実現するため、5つの分野別の基本目標を位置づけました。(資料4)
1つめは、みどり豊かなまちをつくる。みどり関連について。
2つめは、自立分散型エネルギーのまちをつくる。エネルギー政策について。
3つめは、循環型のまちをつくる。清掃リサイクルについて。
4つめは、快適な地域環境をつくる。昨今社会問題になっているゴミ屋敷、空き屋対策などについて。
5つめは、学びと行動の環を広げる。協働についてです。
本日は、2つめの自立分散型エネルギーのまちをつくる、エネルギーの基本施策について触れたいと思います。
資料5
目標の達成に向けた基本施策は、3つあります。(資料5)
1つめは、「災害時のエネルギーセキュリティを確保する」。今までは国の政策として、エネルギー事業者が行っていたのですが、震災などの災害時に、避難拠点や家庭でもエネルギーをどう確保していくか、自治体としても取り組んでいくべきとしました。
避難拠点となっている小中学校には、既に小型発電機を準備し、災害時に一定程度の電気は確保されています。また、それを補うために、プラグインハイブリッド車、電気自動車などを非常用電源として使用していきたいと考えており、災害時に電気自動車などを所有する区民の方に、避難拠点での緊急電源として参集していただく「災害時協力者登録制度」を創設する予定です。また、今後、小中学校に太陽光発電を導入する際に、蓄電池と合わせて設置することで、夜間の電気も確保できるようにしていきます。
2つめは「分散型エネルギーの普及を拡大する」。家庭で複数の分散型電源設備や、再生可能エネルギー機器を導入する場合、今まで1世帯1設備しか補助を受けられませんでしたが、平成28年度から複数の申請を受けられるように補助を拡充しました。
3つめは「省エネルギー化を推進する」。エネルギーそのものを多く必要としない効率的な社会を目指します。エネルギー消費に伴うコスト負担やCO2の排出量を低減できることから「省エネルギー機器設備導入に対する補助」、「省エネルギー住宅の普及啓発」などに努めて参ります。
この3つの施策に共通する重点事業として、「区民・事業者に対する分散型エネルギーシステムの導入支援」ということで、燃料電池や蓄電池などの分散型電源設備、太陽光発電や太陽熱利用などの再生可能エネルギー設備の導入を支援していきます。
これらの施策を実現していくためには、区民のみなさんと一緒に取り組んでいくことで広がっていくものと考えております。みなさまのご協力をお願いいたします。
資料6
次に「練馬区地球温暖化対策地域推進計画」における、区の温室効果ガス削減目標についてです。(資料 6)
目標は、次のとおりです。
長期目標:平成42年度(2030年度)までに26.0%削減する。
短期目標:平成31年度(2019年度)までに9.2%削減する。
※基準年度はいずれも平成25年度(2013年)。
削減目標を決めるにあたっては、国の「地球温暖化対策計画」に基づき算出しております。
平成25年度調べになりますが、練馬区ではCO2排出量の部門別割合は、家庭が一番多くて49.2%、続いて業務利用が25%となっており、約半数を家庭部門が占めていることになります。
資料7
短期目標を達成するため、「みんなで達成!家庭でできる温室効果ガス削減!」とした行動メニューを参考にお示しします。(資料 7)
ステップ1 省エネ行動で減らそう!
練馬区が毎年実施している「エコライフチェック」の項目を参考に、目標達成のための省エネ行動に取り組みましょう。
ステップ 2 機器の買い替えで減らそう!
省エネ性能の高い機器を選ぶことにより、効果的でスマートな削減行動にチャレンジしてみましょう。
ステップ 3 住宅の省エネで減らそう!
住宅への省エネ対策により、エネルギー使用をさらに効率化できます。
行動メニューの詳細はこちらをご確認ください。
「温室効果ガス削減 短期目標達成のための行動メニュー(PDF)」
資料8
続いては、「太陽光発電設備設置補助」についてです。(資料 8)
練馬区では、平成18年度に太陽光発電設備設置補助を開始し、平成28年度末までに2,555件の補助を行ってきました。平成29年度も引き続き補助を行っています。また、太陽光発電設備以外にも強制循環型太陽熱利用システムを補助しています。
先ほど井上先生からもデータのご説明がありましが、総務省統計局の平成25年度の調査データによると、「太陽光を利用した発電機器あり」の住宅が、全国で157万戸あり、普及率は約3.0%となっています。
経産省のデータによると、太陽光発電設備の導入件数は、平成27年12月末時点で5,483件。平成28年1月1日時点の家屋数は約14万5千戸ありますので、普及率は約3.5%となりました。
資料9
資料10
資料11
平成29年度「練馬区再生可能エネルギー・省エネルギー設備設置補助」についてご紹介します。(資料 9)
太陽光発電設備や太陽熱利用システムなど再生可能エネルギーなど対象設備は幾つかありますが、それぞれに補助金の上限金額があります。個人、事業者、管理組合について、補助金の上限額が異なります。
詳しくは、区のホームページをご確認ください。
「練馬区再生可能エネルギー・省エネルギー設備設置補助制度について」
ちなみに、区民、事業者などが太陽光発電設備や、家庭用の燃料電池システムなどの発電給湯システムを設置した方に、抽選で設備費用の一部を補助しております。
また、国や東京都の補助制度も合わせて申請することができます。(資料 10)
国や東京都は太陽光発電の補助を行っていないようですが、例えば、蓄電池システムと太陽光発電システムを同時に導入すると、蓄電池システムの補助が対象となるようです。詳細は国や都の関係機関にお問い合わせいただくか、ホームページでご確認ください。
最後に、一部ではありますが、練馬区環境課で行っている地球温暖化対策についてご紹介します。(資料11)
本日の環境月間講演会。また、6月5~7日に「スタート!エコライフ2017」を、区役所のアトリウムで行います。
「スタート!エコライフ」は、環境省主唱により実施している6月の環境月間にあわせて、練馬区の呼び掛けにより「ねり☆エコ」主催で、くらしのエコのヒントや区の環境への取組みを紹介します。
7、8月は「練馬区打ち水大作戦」を行ないます。誰でも気軽にできて、ヒートアイランド対策にもなる打ち水を周知、啓発します。練馬区では7月23日~8月23日までを「打ち水強化期間」と定めて普及啓発を行っていきます。
今年初めての試みとして、8月4日を「区内一斉打ち水の日」と銘打って、区役所本庁舎前にて打ち水イベントを予定しています。区民のみなさまに、それぞれの場所で打ち水をしていただき、特に暑いといわれる練馬区を一緒に冷やしていきたいと思います。
また、小中学生を対象に、環境問題に対する関心や意識を高めることを目的として、昭和49年度から「環境作文コンクール」を実施しています。昨年度は、小中学生合わせて1,049点の応募がありました。
区民の「環境に配慮した生活」を広めることにより、日常生活における二酸化炭素の排出を抑制し、足元からの地球温暖化対策を目的に、平成18年度から「エコライフチェック」を実施しています。昨年度は40,355人の参加がありました。
また、みどりの関係や、清掃リサイクルの関係でも地球温暖化対策の事業を実施しています。
資料12
本日、簡単ではございますが、「再生可能エネルギー・省エネルギー設備設置補助制度」のご説明をいたしましたが、詳しくは、練馬区環境部環境課地球温暖化対策係までお問い合わせください。(資料 12)
第三部 質疑応答
事前にいただいた質問や休憩中にいただいた質問にお答えしました。
Q:太陽光発電システムの耐用年数はどのくらいか。耐用年数が終わったら、リサイクルなどどうしたらよいのか。
井上氏:耐用年数は、言葉の定義から難しい部分があります。一般的には、性能は徐々に低下していきますが、発電はし続けます。ある日突然発電しなくなることもありますが、寿命はよく分からないです。保守点検をすれば10年、20年持つと思っております。
発電を止めて廃棄をする場合、個人で外して捨てると一般の不燃物になると思うのですが、通常は、業者が撤去をしますので、産業廃棄物になると思います。
3Rの観点からみると、リユースという点では、中古品のモジュールを売っている業者があります。リサイクルという点では、研究開発の目処がついております。市場と要望があれば対応できると聞いております。リデュースの点では、設計の段階から廃棄物が少なく、有害物質を含まないように対応しております。
Q:太陽光パネルの発電効率は10%台だが、太陽熱温水器は40%程度で、変換効率が良いと言われた。今後、飛躍的に発電効率が向上する可能性、大きな技術進歩があるのか。また、太陽光発電と太陽熱温水器を同時にできるものが商品化されたという話を聞いたが、どうでしょうか。
井上氏:変換効率のうち、電気のエネルギーをどれだけとりだせるかが、太陽電池の効率になります。温水器の場合は40%といわれていますが、測定方法がそれぞれ違いますので、太陽光パネルと一概には比べられないと思っています。
太陽熱の場合は60℃、夏場だと90℃くらいまで上がるのですが、あくまで温水という形になりますので、使用は限られてくると思います。
太陽電池の場合は電気エネルギーですので、家庭用の家電機器として使っていただけます。10%の効率しかないのではなく、10%のエネルギーを付け足すことができた、と考えていただいた方がありがたいです。
電気と熱の両方を取れる機器も商品化されていますが、システム的に難しくなりますし、太陽電池そのものでも初期投資には結構なお値段になりますので、予算、家庭の住宅事情などでご検討いただければと思います。
Q:見積もりを取ったら、海外メーカーのものを進められた。国内メーカー、海外メーカー、それぞれのパネルに大きな違いはあるのか?
井上氏:海外メーカーのものも多く入って来ていると聞いております。日本の場合、固定価格買取制度という形で設置されますので、事業認定される段階で登録制度があります。JISにのっとったものであれば、海外メーカー、国内メーカーいずれも基本的な性能の違いはないと思います。
日本びいきになるかもしれませんが、住宅の屋根に付けるとなると、屋根の知識や技術が必要になります。また、アフターフォローやメンテナンス、トラブルがあるので至急来て欲しいといった場合は、海外メーカーは日本法人があっても、なかなか対応ができないこともあるのかな、と思います。今の段階では、とんでもないメーカーは除いて、特に差はないと思っております。
Q:練馬区の取り組みでCO2はどれだけ削減されたのか?
練馬区:区の事務事業に伴う温室効果ガス排出量でみると、平成21年度は46,240トン、平成27年度では43,321トンでした。その差2,919トンですので、約6.4%の削減になります。ここ数年は、平成27年程度の数値で推移しています。
Q:固定価格買取制度はいつまで続くのですか?
井上氏:法律の中では3年おきの見直しとなっていますが、いつまでかは、はっきりと申し上げられません。買取価格と実際の電気料金を比較した場合、2~3年後には恐らく太陽電池の電気の方が安くなると思います。
Q:太陽光発電が増加すると、電力会社の配電が難しくなると聞きましたが、増やしていいのか?
井上氏:住宅用の場合は、電力会社が配電の末端の場合、電圧が非常に上がるという問題が散見されます。その場合は変圧器の追加や、電線を太くするなど対策をとることで対応できると思います。一昨年前くらいに、一部の電力会社で出力制御がありました。電気が余って配電線に悪い影響を与えるので、出力制御を行うということになっています。
しかし、送配電の分離は実際にはまだ先のことですし、その間に技術も進歩すると思います。何より出力制御を行う場合は、説明責任が必要になります。推測ですが、電力会社としては、太陽光発電からの出力制御をし、みなさんに納得するように説明するよりは、自社で対応する方がよいと思いますので、よほどのことがない限り出力制御は起こらないと思います。
一部離島の限られたエリアの中ではあるかもしれませんが、東京電力圏内にはほぼないと思っております。
Q:公的ビルのガラス面、石張り壁面を全て太陽光発電システムにしてはどうか。学校など区立施設にはどのくらい太陽光発電が設置されているのか?今後の計画はどうか?
練馬区:効率良く発電するためには一定程度のパネルの傾斜が必要なのではないかと思います。今後の技術向上などを見守って行きたいと思っています。
近場の事例としては、豊島区役所は3~9階の一部の壁面に、太陽光パネルを741枚、垂直に設置しているそうです。垂直に設置しているために、太陽が高くなる夏より、太陽の位置が低い冬の方が発電量は多いそうです。やはり、ある程度の傾度があると発電量が多いことがわかります。天候にも左右されますが、平成28年度の数字で言いますと、8月が2,319kWh、7月が1,999kWh。平成29年度の1月が3,635kWhということで、冬の太陽が低い時季に発電量が多い、ということが数字でも証明されています。
練馬区では、学校などの区立施設には、平成28年度現在で19か所に設置しています。今後も、新築や全面改修時に設置をしていく予定です。
Q:2019年問題をもう一度説明していただけないでしょうか。
井上氏:住宅用太陽光パネルの導入状況ということで、2009年11月に余剰電力の買取制度がスタートし、この時は10年間買い取ります、となっておりました。既に7年が経過し、2019年10月末終了予定ですので、制度的には買い取る義務がなくなります。しかし、発電は続けられていますので、その電気をどうするか、まさに、経済産業省で議論が始まっているところです。価格的にどうなるかは、今後の議論になりますが、今まで通りか、少し安くなるか。なにかしらの買取制度は続けていただきたいと、私は思っています。
Q:住宅用の場合、事業税はかかるのか?
井上氏:事業税がかかる場合もございますが、住宅用(10kW以下)でしたら余剰電力の売電ということになります。事業収入的には低い金額になると思いますが、税金のことはそれぞれご確認いただいた方がよいと思います。
最後に、お2人からメッセージをいただきました。
井上氏:太陽光発電システムは、いまのシリコン太陽電池ができてからほぼ60年になります。最初は宇宙の電源として作られたものが、いまでは家庭の電源として使われています。昔の「難しい技術」が、今では我々も使えるような電源になっています。確かに高い電気代にはなりますが、10年、20年の電気代を先払いする、それによってCO2の削減や、化石燃料の使用量も減ります。もしよろしければ、この機会に導入をご検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
練馬区:太陽光発電設備の設置も、地球温暖化対策につながるものです。区民や事業者のみなさまの主体的な行動が伴っていることが何より重要だと考えます。練馬区も、全力で取り組んで参りますので、みなさまのご協力をよろしくお願いいたします。
井上講師、最新の様々な情報をお話いただきありがとうございました。
ご参加いただいたみなさま、ご協力いただいた多くの関係各位に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。