令和元年度 事業者向け講習会 当日レポート
「東京都の省エネ施策」当日レポート
期日:令和元年7月18日(木)
時間:13時20分〜13時30分
場所:ココネリ3階ホール
概要

講習会全体の様子
都内の産業・業務部門の温室効果ガス排出量の約6割を占めている中小規模事業所。省エネに取り組みたくても、何から始めればいいのか分からなかったり、自己流で始めたために効果的な対策がとれていないケースも少なくありません。
そこで、省エネを支援している、東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)より、中小規模事業所向けの「東京都の省エネ施策」について解説していただきました。当日は、東京商工会議所練馬支部の会員約100名が参加し、熱心にメモをとる姿もありました。
講習

北澤 嶺 氏
講師:北澤 嶺(きたざわ たかね)氏
【プロフィール】
東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)
温暖化対策推進課 省エネ推進チーム 主任
東京都地球温暖化防止活動推進センター(以下、クール・ネット東京)は、東京都環境局の外郭団体で、「地球温暖化対策の推進に関する法律」第38条の規定に基づき、知事より東京都地球温暖化防止活動推進センターの指定を受け、普及啓発、都民や中小事業者の地球温暖化防止の取組や省エネ対策を支援しています。東京都環境局の補助金の執行等も行っています。これから説明する施策については、東京都環境局が主体となっている施策でもあります。
スライドに沿って説明させていただきます。
無料省エネルギー診断

資料1
経験豊富な診断員が中小企業の皆様の事業所を訪問し、設備やエネルギー使用状況を調査します。その調査結果に基づいて、事業所の特性に応じた省エネ対策を提案するというものです。診断は全て無料です。(資料1)
この事業のポイントは、第三者の目で個々の事業所にふさわしい省エネ対策を提案するところにあります。
インターネットには「無駄な照明は間引きをしましょう」「空調を効率よく使いましょう」など、いろいろな方法が載っていますが、実際にどのように実現したらいいのか、よく分からないまま対策をしている事業所もあるかと思います。その点について、どの部分を省エネすれば光熱費が削減できるかを具体的な形でアドバイスしています。
現地での診断時間は、概ね60分から90分程度です。 申込方法は、簡単な必要事項を申込書に記入・送付するだけです。まずは、クール・ネット東京にお電話いただければと思います。
無料省エネルギー診断の実績ですが、これまで年間300件ペース、約3,900件の事業所を診断してきました。

資料2
診断の受診後、電気は平均16.2%、ガスは平均24.4%、水道は平均16.0%のエネルギーの削減効果があったという結果が出ています。(資料2)

資料3
例えば、あるテナントビル(オフィス系)では、受診前は年間384万円、受診後は年間302万円と、毎年82万4,000円の削減効果がありました。(資料3)
皆様に省エネ診断の結果を伝えるときは、「この対策をしたらこれだけ光熱水費が削減されます」という実際の金額を提示しています。
また、運用改善による省エネ対策のほかに、設備改修を行った場合の導入費用、削減される光熱水費、投資回収にかかる年数といった細かいところまで説明いたします。

資料4

資料5
他にも飲食店舗、工場などさまざまな事業所の診断を行っています。(資料4、5)
省エネ診断のメリットは主に2点あります。
1点目は、何よりも無料で受けられることです。光熱水費を削減するにはどうしたらいいかをお考えの方は、ぜひお気軽にお申し込みいただければと思います。
2点目は、東京都の助成事業のため安心、信頼性があるということです。セールスなどは一切ありません。あくまでも省エネについての提案を行うだけで、強制することはありません。その提案を受けて、実践してみたいと思っていただければ幸いです。
東京都の助成金等支援策
省エネ促進税制

資料6
省エネ性能の高い設備を導入した場合、対象設備の取得費用の2分の1を法人事業税・個人事業税から減免する制度です。(資料6)
対象設備は、大きく分けて「空調設備」「照明設備」「小型ボイラー設備」「再生可能エネルギー設備」の4種類です。東京都主税局との連携事業であり、他にも細かい要件等があります。
【問合せ】東京都主税局 TEL:03-5388-2963
省エネ型ノンフロンショーケースの導入補助

資料7
今年度からスタートした制度で、省エネ型ノンフロンショーケースを導入した場合に、設置にかかる経費の3分の1を補助するというものです。(資料7)
補助条件は、「都内の事業所に設置されること」「未使用品であること」「2020年3月13日までの間に設置完了されること」等です。申請期限は2020年3月6日となっています。
【問合せ】東京都環境局改善部環境保全課 TEL:03-5388-3471
電気自動車等の普及促進事業

資料8
電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の導入経費を助成するというもので、助成額は電気自動車が25万円、プラグインハイブリッド自動車が20万円です。(資料8)
要件は「初度登録された日において、助成対象の車両となっていること」「初度登録日から申請受付日までの期間が1年以内であること」「東京都内に使用の本拠の位置を有すること」です。2020年3月31日が受付終了となっています。
【問合せ】クール・ネット東京 省エネ推進チーム TEL:03-5990-5068
その他の支援策

資料9
「省エネアニメ」「業種別省エネテキスト」「省エネ講師派遣」の3種類があります。(資料9)
「省エネアニメ」は、省エネ対策等の普及啓発用のアニメで、YouTubeでも公開しています。
「業種別省エネテキスト」は、個々の業種の特徴に適した省エネ対策を紹介しています。ペットショップやコンビニ、商店街やオフィスビルなどさまざまな業種を取りそろえています。
「省エネ講師派遣」は、省エネに関する専門家を無料で派遣するというもので、参加者全員にオリジナルのテキストを進呈しています。

資料10
その他の環境関連の東京都の補助金・支援策ガイドについては、冊子「エコサポート」をご覧いただければと思います。(資料10)
「業種別省エネテキスト」や「補助金・助成金」等の情報は、クール・ネット東京のホームページから無料でダウンロードできます。ご興味のある方はぜひご覧ください。