区民・事業者・練馬区等がともに地球温暖化防止をめざす

環境野外講座「地球と自然の大切さを学ぼう」当日レポート

期日:令和元年11月10日(日)
場所:国営昭和記念公園

概要

 ねり☆エコ初の環境野外講座「地球と自然の大切さを学ぼう」が、国営昭和記念公園内にある「富良野自然塾東京校」環境プログラムのコースを使って行われました。午前の部と午後の部に分かれ、小学4年生以上の親子など94名が参加。当日は一日中、晴天に恵まれ、色づき始めたいちょう並木も楽しみながら、自然の大切さを学ぶことができました。

倉本聰監修 環境プログラム 富良野自然塾東京校とは?


前杉 昌枝 インストラクター

小畑 すみれ インストラクター

 ドラマ「北の国から」の脚本で知られる作家の倉本聰氏が自然環境の保護や教育の必要性を感じ、平成18年から北海道の富良野で取り組んでいるのが、「富良野自然塾」です。ゴルフ場の跡地に植樹し森としてよみがえりつつある土地を利用し、五感を使いながら、地球の歴史を学ぶことができます。

 そのプログラムを首都圏でも体験できるのが、「富良野自然塾東京校」です。国営昭和記念公園内にコースが設けられ、富良野自然塾で研修・指導を受けたインストラクターが、楽しく、わかりやすく自然の大切さを伝えます。

富良野自然塾東京校

当日のプログラム


開講式の様子

 参加者は、公園内の花みどり文化センター入口で受付を済ませ、開講式を行った後、2班に分かれ、インストラクターの誘導で公園内のコースを回りました。コースには「緑の教室」「裸足の道」「1mの地球」「46億年・地球の道」という4つのプログラムがあり、それぞれの場所でインストラクターの講義を聞いたり、クイズに答えたり、裸足で歩いたりして、自然を感じ、地球の歴史を学びました。

主催者あいさつ


横倉 尚 会長

ねり☆エコ 横倉 尚 会長

 ねり☆エコでは毎年、地球温暖化問題を考えるイベントを行っています。今年は初の野外講座を開くことになりました。今日はお天気にも恵まれて、本当によかったと思います。

 インストラクターの前杉さんと小畑さんが、明るく熱心でインパクトのある講座を行います。自然を感じて過ごす時間は、おとななら子ども時代を思い出すかもしれませんし、子どもたちにとっては初めての体験になるかもしれません。プログラムの内容も充実していて、他では体験できないことばかりです。ぜひ自然の尊さを感じる一日にしていただければと思います。

緑の教室

 芝生の広場の近くにあるヤマモモの木陰のベンチで、インストラクターのお話を伺います。まず、口と鼻を手で押さえて、どこまで息を止められるか試しました。1分間が経つのがとても長く感じられ、生きていくためには酸素を吸って呼吸することが不可欠であることを身を持って感じました。

 たくさんの葉から放出される酸素を吸って、私たちは生きています。そして森は、人間が生きるためにもう一つ不可欠な水の生成にも関わっています。都会に降った雨は大地にしみこむことなく、そのまま流れてしまいますが、森に降った雨は地面にしみこみ、湧き水や川になり、人間の生活で使われます。

 人間が生きていくために大事な空気も水も、自然が与えてくれるもの。自然が壊れたら、私たちの命も危ない。「よく『地球のために自然を守る』と言いますが、それはちょっと違うと思う。自然を守るのは、私たちのためなんですよ」と自然の大切さを教えてもらいました。

裸足の道

 人間には、触覚、嗅覚、聴覚、味覚、視覚の五感がありますが、現代社会ではスマホやゲーム、テレビなど、視覚を介した情報ばかりで、それ以外の感覚を使うことが減っています。

 裸足の道では全員が裸足になり、ペアになって片方は目隠しをし、片方は誘導役でコースを手を繋いで歩きます。私語は厳禁。目隠ししている人に道の様子を伝えないのがルールです。裸足になって目隠しをすることで、視覚以外の感覚が敏感になるのです。

 「五感を使って、いろんなことに気づいたと思います。この忘れていた感覚を普段の生活の中でも意識してほしい」と話されました。

1mの地球

 丘の上には、地球を直径1mの球に模したオブジェが置かれています。一部が切り取られ、断面が見えるようになっており、マントルや地殻など、地中の構造もわかるようになっています。

 地球を直径1mの球に例えると、生物にとって必要な空気の層は地球の周りのほんの1mm。大きな地球のごくわずかな場所で私たちが生きていることがわかります。

 他にも、地球の水の量、月や太陽との関係性など、いろいろなことを知ることができました。

46億年・地球の道

 川沿いの道に移動し、地球の歴史を学びます。ここは、46億年の地球の歴史を460mの道に置き換えてあり、10mが1億年、1mが1,000万年にあたります。そして、道のところどころに、その時代や出来事を表す看板が立てられています。

 人類が石炭や石油を動力にした機械を使い始めたのは、今からおよそ200年前。それは460mのうちの極わずかです。人類の歴史は、地球全体の歴史から考えると、まだほんの少しのものでしかないのです。

 地球の道は、「地球は子孫から借りているもの」と書かれた石碑の前で終わります。これはネイティブアメリカンの言葉。「地球は先祖代々、引き継いできたものじゃなくて、未来の子どもたちから借りているもの。借りたものは傷つけたり、汚したり、壊したりしないで、大切に使って返すよね。これからの地球のことや使い方を考えていこうね」というメッセージを、参加者の皆さんに伝えました。

参加者の声

 参加された皆さんからは、一様に「楽しかった」という感想が聞けました。

子どもたちの声

  • 僕が行きたくて、親に頼んだ。来てよかった。
  • 地球のことを学校で勉強して、もっと詳しく聞きたいと思って参加した。
  • 砂利道を歩いて、足が痛かった。うまく歩けなかった。
  • 全球凍結の時代とか、いろんなことがあるのは初めて知った。
  • カンブリア紀からは、好きで調べているので知っていることも多かった。

保護者の声

  • 自然と触れ合えてよかった。
  • 他ではできない貴重な体験になりました。
  • 裸足の道で目隠しをして歩くことで、いかに普段から視覚に頼っているかを実感しました。

 ご参加いただいた皆さま、前杉、小畑両インストラクターをはじめ、富良野自然塾東京校、国営昭和記念公園など、ご協力をいただいた多くの関係各位に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

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