区民・事業者・練馬区等がともに地球温暖化防止をめざす

第3期くらしのエネルギー・スキルアップ講座

第1回講座レポート

講演「地球温暖化の現状と持続可能な低炭素社会」

藤野 純一 氏

説明「スマートライフおすすめBOOK」「日本の二酸化炭素の排出量の推移等」

ねり☆エコ 河村 英敏 委員 

開催日時:平成29年8月30日(水)午前10時~正午
開催場所:練馬センタービル 3階会議室

挨拶

ねり☆エコ 会長 横倉 尚

 練馬区は、板橋区から分離独立して70周年を迎えていますが、この70年の間に、練馬区と我々練馬区民は、わが練馬を「こういうまちにしたい」という思いを都市宣言として4回にわたってアピールしています。「非核都市宣言」「交通安全都市宣言」「健康都市練馬区宣言」、そして環境につきましても2006年に「環境都市練馬区宣言」を行っています。

 当時、すでに地球温暖化対策の必要性が、世界的にも取り上げられていました。「エネルギーや資源の過剰な消費によって地球に負荷をかけている。それが地球温暖化をもたらす大きな要因になっている」ということが特筆され、「資源やエネルギーを大事に使う」こと、「環境にやさしい心構え、心を養い、行動の輪を広げていく」ことが宣言でも書かれています。

 地球規模の問題になっている地球温暖化については、「我々がどんなエネルギーをどれだけ使うかと」いうことが、年を追ってますます大きな課題の一つになっています。問題意識を持って知見と経験を増やし、「行動の輪を広げて行く」ということが、ますます必要となっています。我々区民は一人ひとり世界に向かって、そうした努力を続けて行くことを「誓う」と宣言しているのです。

 どうぞこの機会に、是非、我々区民の「できること」を実践していただきたいと思います。

講演「地球温暖化の現状と持続可能な低炭素社会」

講師:(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)
藤野 純一 氏

 地球温暖化の現状と持続可能な低炭素社会について、大枠の話をさせていただきます。

地球温暖化について


資料1-1

 私は2004年から5年間、環境省の低炭素社会のシナリオ研究に関わったのを契機に本格的に温暖化対策の検討を進めてきました。このシナリオ研究では、2050年に向けてCO2を70から80%削減するという大幅削減の方法を検討したのですが、それをシンボリックに表現したのが、富士山をCO2排出量に見立てて右下に矢印を付けた「富士山のマーク」です。(資料1-1)

 温室効果が無ければ、地球の温度はマイナス19度です。適切な温室効果があるので、地球の平均気温というのは14度に保たれています。


資料1-2

 しかし、温室効果がありすぎると、地球温暖化が起こります。赤外線が地表面で反射されて、宇宙に戻るのですが、層の厚みが増せば増すほど、外に戻る量が減ってしまうので、その分、中に熱が貯まってしまって、温室効果が起きます。(資料1-2)


資料1-3

 大気にCO2を貯めていることが問題です。一番大きいのが「人間の活動によって出している二酸化炭素」で89億トン/年。海や陸で吸われきれない分、CO2がどんどん大気に貯まっているということが、温暖化が起こっている原因といわれています。(資料1-3)


資料1-4

 地球シミュレーションにより、自然要因に、人間が出しているCO2の量を組み合わせないと、過去100年で0.7度位、地球の平均気温が上がってきたことを説明できません。(資料1-4)

 温暖化、気候変動が進むと、「熱中症」の被害が増えたり、「雨の降り方」が変わり豪雨や洪水が増えたり、「海面上昇」も起こっていきます。

 日本はインフラが整っていますから、台風がこんなに来ていても、被害は限られていますが、フィリピンやバングラデシュなどでは、相当規模の被害が出てしまいます。


資料1-5

 また、インフラも50年、100年たつと、老朽化してくるので「どうメンテナンスしていくか」という話もあります。 気候変動が起こると「なぜ困るのか」というようなところを、資料を後で見ていただけたらと思います。(資料1-5)(配布資料等)

その辺りの映像があります。(映像を上映した)

 大気中のCO2は、なかなか分解しないので、貯まってしまいます。CO2の累積排出量と平均気温の変化が、かなり比例関係にあり、今後出すCO2量に応じて、何度気温が上がるかを予測できます。途上国の成長なども考えて、何とか2℃の上昇に抑えようというのが、世界的なゴール(目標)となっています。

 累積でCO2をどれ位まで出せるのか、確率50%で2度以内に抑える計算をすると、840GtCは出せます。Gt(ギガトン)C(炭素)は、十億トンの炭素です。


資料1-6

 しかし、2011年までに530GtC、もう我々は出してしまっています。これを引き算すれば、今後出せる量は300GtC。今までの調子で出していくと、あと20年、30年位で、その量に達してしまいます。(資料1-6)


資料1-7

 2100年に、大気や海などが吸ってくれる量と世界の排出量を、均衡させる。ゼロとか、マイナスにしないと、2℃になりません。(資料1-7)


資料1-8

資料1-9

 詳しくお知りになりたい方は、全国地球温暖化防止活動推進センター、通称JCCCA(ジャッカ)のホームページをご覧ください。IPCCの報告書の事、COPでの気候変動の交渉の様子も、説明されています。(資料1-8〜9)


資料1-10

 懐疑論に対しては、「ここが知りたい地球温暖化」、少し難しい「地球温暖化懐疑論批判」、歴史的には「温暖化の<発見>とは何か」があります。(資料1-10)

気候変動の国際的取り組みについて

 気候変動の国際的な取り組みは、1990年から国連で気候変動枠組条約が議論され、92年にリオサミットの時に条約が採択され、スタートしました。

 COP(コップ)「カンファレンス オブ パーティー」という締約国会議の事を、COPと呼んでいます。従って、いろいろなCOPがあります。95年に、最初の気候変動のCOP、97年に京都でCOP3が行われました。

 この京都議定書の採択後、1998年に、政府は温暖化対策防止推進法という法律を作りました。国、都道府県、政令指定都市は計画を作りました。練馬区も計画をつくりました。


資料1-11

 科学的知見に基づいて議論され、紆余曲折があってCOP21で採択されたのが、パリ協定です。(資料1-11)

 パリ協定、いくつか要素はありますが、大事な所は、皆で2℃(1.5℃:努力目標)というゴールを共有したということです。なぜ1.5℃を目指しているのかというと、島国やバングラデシュなどの気候災害に弱い国から「自分達はCO2を出してないのに、何で自分達だけ被害にあわなきゃいけない」という声が上がってきているからです。

 もう一つ、このパリ協定で大事だったのは、京都議定書のときは、いわゆる先進国だけが目標値を課されましたが、パリ協定は「すべての国が参加する」こととなったことです。


資料1-12

 すべての国でやらないとゴール(2℃)を達成できない。そのために「各国での温暖化対策を強化していきましょう」。日本でも計画を作っています。中国、ベトナム、カンボジアなどの国でも、「5年に一回、約束草案を見直して、国際的にレビューする」仕組みが決まりました。(資料1-12)

 我国は2030年までに2005年比26%削減する、という目標を掲げています。


資料1-13

 それぞれの国で基準年が違いますが、「すべての国が参加できるように、基準年は自分たちで選びましょう」となり、中国、インドネシア、南アフリカ、ブラジル、インドなども目標を立てています。(資料1-13)


資料1-14

 しかし、それぞれが努力目標を立てた時に、それぞれの国の目標値を足し合わせただけでは、世界全体の目標は達成できません。ここを2018年に議論をすることになっています。(資料1-14)


資料1-15

 日本の評価は、まだ日本の法律の目的の中に、2℃とか1.5℃とか、埋め込まれていないことなどから、なかなか評価が厳しいのです。(資料1-15)

 「ノンステートアクターズ」が気候変動の交渉で、その役割に関心を集め始めているところにも注目しています。

 「ステートアクターズ」は、いわゆる各「国」です。COP(カンファレンス オブ パーティ)の「パーティ」というのは国ですから、国々が国際的な枠組みを話し合うのが、いわゆる気候変動の交渉です。

 私は、COP11から毎回交渉の所に行っていますが、自分はNGOs「ノンガバメントオーガナイゼーションズ」です。いわゆる「ノンステートアクターズ」です。

 僕らは、研究成果を持って行って、「もっとこうやったら出来るのではないですか」など、各国の人と「サイドイベント」をやっていました。


資料1-16

 市民、ビジネス、自治体等、「それぞれの活動が積み重なって、ようやく目標達成が出来る」「ノンステートアクターズの活動を、もっとアクセラレート(加速)させよう」というようなことが言われています。(資料1-16)


資料1-17

 COP21の時、パリ市庁舎に500人位の自治体の首長などが集まって、自治体も「2050年までにCO2をゼロにする」、「再生可能エネルギー100%にする」、「CO2 を80%減らす」などの宣言をしました。今年もCOP23の時に「ボン市庁舎に集まる」など、下から、湧き上がるようなことが、徐々に、世界では起きています。(資料1-17)

気候変動の緩和について

 2004年から、どうやって、低炭素社会をつくるかを研究してきました。なお、今では、ゼロとかマイナスにするには、「低」では足りないので、脱炭素社会です。


資料1-18

 皆、「低・脱炭素社会」自体が欲しい訳ではなく、「住みたい社会」が欲しいのです。その住みたい社会の中で、CO2を出さないような組み合わせに、我々は挑戦しておりました。(資料1-18)


資料1-19

 例えば、この練馬に合わせた、練馬のヴィジョンをお作りになってください。日本全体を考えながら、引き続き「活力」とか、「成長志向の社会」の在り方、「ゆとり、足るを知る」社会であっても、一軒家にも太陽光発電装置がのっていたりする。昔に帰れという話ではなくて、今の技術、将来の技術もうまく組み合わせながらです。(資料1-19)


資料1-20

 社会の在り方自体も考えて温暖化の取り組みというのを適用するとどうなるか。女性研究者が「2050年、どんな家に住みたいの」と描いた一つのイメージです。「ロボットが子守をしている」、「自分が音楽をやったり、お風呂入っているときに、旦那がちゃんと飯を作っている」とか、…それぞれの「住みたい像」があると思います。(資料1-20)

 これはちょっと古い数字で、今はフィット(固定価格買取制度)が入って、もっと数字は良くなっています。

 太陽光などの取り組み、エネルギー供給会社の頑張り、機器の効率向上などを活用し、シミュレーションすると、そんなに無理がない。つまり冷房、お湯、家庭で生活するのに必要な物は、ちゃんと保ちながらも、機器効率の改善、家の構造を変えることで、大体半分ぐらいのエネルギーの投入量を減らすことができます。

 すなわち電気、太陽熱、太陽光、一部ガスも入っていますが、ほとんど化石燃料を使わなくても家庭部門のエネルギーを供給できることを示しました。

 石炭も、掘りつくしてやめたわけではなくて、経済性で石油に代わりました。今、LEDが入ってきていますが、LEDと蛍光灯がそれほど変わらなくなり、寿命がLEDの方が長く、いろいろ調光ができたりして、LEDを選ぶようになってきました。


資料1-21

 もう一つは、環境負荷がより少ないエネルギーを使うようになる。例えば、天然ガスは比較的環境にはいいがCO2が出てしまう。太陽光とか、太陽熱を、もっと積極的に使っていくような社会になっていくのではないかということです。(資料1-21)


資料1-22

 2008年当時、「12の方策」にまとめました。(資料1-22)

 例えば、皆さんがお住いの所も、「快適さを逃さない住まいとオフィス」にする。CO2を出さないための家を作る。断熱効果が高く、夏でも冷房効果が高い。特に、冬、家の中で温度のムラがあると、ヒートショックの問題がある。健康的な住宅を目指し、同時に、エネルギー効率の高い家にもなると言うような形に進んでいます。皆さんがいい方向で、欲しいと思うところで、かつ、化石エネルギーをあまり使わない、CO2を出さないような建築物です。

 また、「安心でおいしい旬産旬消型農業」にする。よく地産地消と言われていますが、結局、グリーンハウス、温室で野菜をつくっている。地産地消でも、中国から持ってきた方が、エネルギー的によくなったりします。あまりエネルギーをかけないで旬なものを食べるのがいいのではないでしょうか。

 皆さんが、この「練馬にふさわしいものが何なのか」を、ぜひ追及していただけたらと思います。当時、低炭素社会を広めようとしていましたが、社会を低炭素にするためだけにみんなが生きているわけではないので、「いきたい」、「住みたい」社会の中で、どう低炭素化するのかというのが大事なのかなと思っています。


資料1-23

 そういうのを本に書いたり、震災後にたまたま機会があって、子供、小中学生向けの本を書いたりしたので、ご関心があったら、見ていただけたらと思います。(資料1-23)

気候変動への適応について

 ここまでは、「どうやってCO2を減らすか」(緩和)という観点でご説明していました。

 「緩和」というのは、例えば、自分が癌になったらきついですが、癌の病巣を切除するみたいなものです。 先ほどの映像をご覧になって、「大丈夫かな」と思った人もいるかもしれません。もう温度は上昇していて、気候変化の影響は出ているわけで「適応」も必要です。

 癌でありながらも、いい暮らし、癌にも対応する暮らしみたいなものが、ひょっとしたら「適応」かもしれません。

 もう、温度が上がること、それは起こってしまいますから、それに対して、熱中症とかにどう対応していくかも同時に考えないといけない状況になっています。


資料1-24

 ここら辺を詳しく書いてあるのが、この「温暖化から日本を守る適応への挑戦」です。後で読んでいただけたらと思います。今起こっている影響に「どういう適応をやってくのか」という話が入っています。その中には「食料の生産の適地が動いている」、「生物が生息できる場所が、変わってきている」、「外来生物」などの話もあります。(資料1-24)

 例えば、都市では、ゲリラ豪雨が降ったり、一方で雨が降らなかったり。暑さ対策も必要ななかで、公共交通をどう整備していくのか、節水・雨水活用といった水資源の有効利用などです。

 比較的、日本は水資源に恵まれていますが、もっと水資源に恵まれていないところでは、大事になっています。


資料1-25

 また、温度が上り「冷房を使わないと危ない」中で、同じ冷房を使うにしても、家の構造を、如何にするか。新しく建てる建物については、より効率的な物、今使っているものも改修するなど、「建物断熱化」もあります。更に、「森林」もあります。(資料1-25)

持続可能な開発目標について

 SDGs(エスディジーズ)、「持続可能な開発目標」、「サステ―ナブル ディベロップメント ゴールズ」です。

 パリ協定は2015年の12月に採択されましたが、その3か月前に、このSDGsがメインとなっている「2030年アジェンダ」が、国連で採択されています。SDGsの方がパリ協定より少しだけ先でした。

 1992年の環境と開発に関する国連会議(地球サミット、リオサミット)で気候変動枠組み条約が採択されました。もっと遡ると、1972年、国連人間環境会議(ストックホルム会議)が行われました。その前には、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」、日本の「公害」など、環境の問題が起きた中で、このまま放置したら大変だということで国連でも動きが出て、92年にリオサミットが行われて、2000年のミレニアムサミットもありましたが、2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」リオ プラス テン(RIO+10)が行われました。

 この一連の流れの中で、どうやって、この「サスティナブルディベロップメント」を実現して行くかというのは、ある意味、環境の大目標でした。


資料1-26

 環境と開発に関する国連会議で話し合われ、ミレニアムサミットでMDGs(ミレニアムディベロップメントゴールズ)が検討採択されるなど、長い旅をしていて、サスティナブルディベロップメントを達成しようとするならば、「このゴールを皆で共有してやっていこうじゃないか」と言う議論が行われました。(資料1-26)


資料1-27

 国連の重要課題として、今まで単に「開発」と書いていたものに、「持続可能な」が入った。それから「経済」、「社会」、「環境」というのを統合しようということを狙っていると聞いています。(資料1-27)


資料2-1

 「持続可能な開発目標SDGs入門編」をご覧ください。最初に、ミレ二アムサミットで、ミレニアム開発目標(MDGs エムディージーズ ミレニアムディベロップメントゴールズ)が出来ました。(資料2-1)


資料2-2

 ここでは、貧困・飢餓、初等教育、ジェンダー、乳幼児、妊産婦、疾病、環境、連帯について書いてあります。つまり、ここの時は、まだ、対象は主に発展途上な国、特にアフリカの貧困が非常に問題でしたので、それを2015年までに「目標を立てて解決しよう」ということでした。(資料2-2)


資料2-3

 なぜ2015年にSDGsができたか。MDGsのゴールが「2015年までに達成しよう」だったので、目標を立て直さないといけなかったのです。結論としては、パリ協定と一緒で「全ての国の目標にする。」というような形でSDGsが出来て、「17のゴール」と、この下の「169のターゲット」が決められました。(資料2-3)

 この17のゴール、いろいろなゴールが入っています。「気候変動」は13番。大きさがそれぞれ違うかもしれないですが、17のうちの一個のゴールに過ぎないのです。

 このゴールの中には、「エネルギー」「気候変動」のゴールがあります。

 今、その取り組みが進んでいます。新聞、ビジネス、特にグローバルな活動をしている企業は、SDGsに関心を持ち始めています。アメリカやヨーロッパでは、「SDGs、環境に配慮した、持続可能な取り組みに配慮した企業活動をしていないと投資しません」となってきています。

 他にもESG(Environment 環境、Social 社会、Governance 企業統治)、CSR (Corporate 企業、Social 社会、Responsibility 責任)という言葉もあります。ヨーロッパでは、リーマンショックや欧州の経済危機のときに短期的経済成長を目指す企業が増えすぎたという反省があり、持続可能な企業形態にならないということで、四半(期)決算だけではなくて、「もう少し中長期的に企業をサポートしよう」という動機の下、CSRからESG、さらにはSDGsに関心が寄せられてきました。

 最初の上の段は、日本にはあまり関係ないと思っている方がいます。しかし、子供の貧困も、今、日本で問題になっています。飢餓というのは確かに少ないかもしれませんが、中高生が「本当にご飯が食べられなくて万引きする」事件が起きています。

 10番に「人や国の不平等をなくそう」がありますが、よく現場を見ると、結構、日本でも当てはまることがあります。

 保健(健康と福祉)には、特に日本の場合は高齢化社会が進んでいるので、その中でのロールモデル(手本)を世界に示せるか、注目を浴びています。

 教育については、いろいろ賛否両論があるかもしれませんが、大事な問題です。ジェンダーについては、日本は、なかなか点数が辛いです。

 水は比較的いいと思います。しかし、日本の水の技術を世界に広められていません。

 エネルギーは、「エネルギーを皆に」、そして「クリーンに」と書いてあります。再生可能エネルギーを、「どう捉えるのか」、日本は自然資源を「どう活用するのか」が課題です。


資料1-28

資料1-29

 日本でも、それぞれ、見れば見るほど、皆さんの身近なところの問題にもなっているかもしれません。(資料1-28〜29)

 私は、自治体、ビジネス、皆さんなどと、ニーズを洗い出しながら、どうやって「よくしていくか」、併せて、結果的に「CO2、減った」、「エネルギーの使い方、変わった」となるようにアプローチしていきます。

 練馬区が70年、皆さんのご努力で、「街」を作ってきた。次の70年、どんな「街」にするのか。それは、次の世代、次の次の世代に伝わっていきます。

 皆さん、練馬で、「こうやるぞ」という話を、聞かせていただけたらと思っております。

質疑応答

Q:練馬区の街の特徴から、区民にとって、どういったことが削減に必要な取り組みだと思われますか。

A:光が丘に焼却施設があって、うまくエネルギー利用している「区民の分別の活動が基となって、最後のいらないものを燃やす」、次に続くアジアの国々の人に見せて行くことが、まず一つ大事だと思っています。

 また、都市なので、練馬だけで自然エネルギー100%は難しいです。都市の責任ある自治体が、今後、自分達だけでは取り組み出来ないところを他と協力することでどうやっていくか、興味深いと思っています。

Q:水素の状況について。

A:水素をオーストラリアの石炭を改質して日本に持ってくると、製造や輸送等のエネルギーが必要で、メリットがない恐れがあります。CO2の制約が大きくなって、再生可能エネルギーが広まっていく中で、たくさん作りすぎたエネルギーを貯める時に、水素も有望な技術です。

Q:電気自動車、燃料電池(水素)自動車はどうなるか。

A:電気自動車の電池の技術が「どこまで進むのか」わかりません。ネックは、「安心して何キロ走れるのか」です。20キロ、30キロだったら、今の技術で全然問題がない。

 しかし、200キロ、300キロとか、貨物自動車になると、燃料電池自動車という棲み分けもあるかもしれませんが、水素のインフラが必要です。

配付資料等

説明「スマートライフおすすめBOOK」「日本の二酸化炭素の排出量の推移等」

ねり☆エコ 河村 英敏 委員

「スマートライフおすすめBOOK」

 冊子「スマートライフおすすめBOOK」を使って、地球温暖化、家庭の創エネ・蓄エネ・省エ、家庭の消費電力、トップランナー制度、省エネラベリング制度、「省エネ製品買い替えナビゲーション(しんきゅうさん)」夏の省エネのコツなどについて説明しました。

「日本の二酸化炭素の排出量の推移等」

 日本の二酸化炭素の排出量の推移です。2009年度にすごく減っています。2011年の震災で上がって、2014年度から下がっています。風力など自然エネルギーの利用も増えてきたこと、社会全体的に、エネルギーを使わないようなインフラ、例えば、製造業から一般サービス業のインフラが変わってきたことが背景といわれています。


資料1

 2011年、原子力発電所が止まったことにより、火力発電所の利用率が上がり、CO2の排出量が上がったが、その後、再生可能エネルギーの導入も増えて、CO2の排出量は下がってきています。(資料1)


資料2

 電源別の発電電力量の構成比。震災直後は、電気が不足しましたが、今は電気の使用量が減ってきています。(資料2)

 電気を供給する余裕率が3%を切ると、大規模停電を防ぐため、大きな工場に節電をお願いすることになります。


資料3

 2030年度までには大体25.6%、四分の一を減らすとありましたが、その内訳をみると、産業用が大体7%、業務用が50%、家庭用は業務用と同じくらいの4割くらい。全体の量は、もちろん少ないのですが、減らしていくことが必要です。(資料3)


資料4

 世界のCO2の排出量、一番多いのは中国、2番目がアメリカ、インドということで、日本は6番目、3.6%くらいの割合がCO2の排出量ということになっています。(資料4)

 さらに、最後のページ、一人当たりのCO2の排出量につきましては、一人当たりで、国別のCO2の排出量のほうに、主要国からすると、一番上はカタール、クウェート、サウジアラビア、中東の産油国です。

 産油国で石油を発掘するためにCO2を出すわけで、一人当たり換算すると多いと。次はアメリカ、オーストラリア、カナダですが、エネルギー輸出国が続きまして、日本です。


資料5

 日本は真ん中くらいですが、下の方の国から比べれば、2倍以上排出しているわけですし、アフリカに比べれば、9倍以上、日本はCO2を排出しているというのが実態ということです。(資料5)

配付資料等

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