省エネルギー月間講演会

「進むエネルギー改革〜何を選び どう使う〜」当日レポート

期日:平成29年2月12日(日)
時間:午前10時〜正午
場所:練馬区役所アトリウム地下多目的会議室


概要

受付の様子


参加者へ配布された資料


記念品の「省エネコンセント」


講演会全体の様子

 今年4月から、都市ガスの小売が自由化されます。昨年から始まった電力の小売自由化とあわせ、サービスやプランの選択肢がさらに大きく広がります。

 「エネルギー改革」について、2020年の発送電分離などエネルギーの自由化の全体像や、1年を迎える電力小売自由化の現状や課題を知り、各家庭のライフスタイルにあうプランの選び方や、賢い使い方などを考える機会にしていただきたいと思い、講演会を開催いたしました。

 第一部は、エネチェンジ株式会社副社長の巻口守男氏に、エネルギー改革の全体像や4月の都市ガス小売自由化に向けた最新事情などを、電力比較サイトでの知見と共に解説していただきました。第二部は、消費生活アドバイザーの大島京子氏に、自身の経験をもとにした賢いエネルギーの使い方、地球にも家計にもやさしい生活の知恵についてご講演いただきました。

 さらに第三部では「質疑応答」を行い、参加者から寄せられた質問に答えていただきました。講演終了後も、両講師に熱心に質問する参加者の姿が見受けられました。

 講演会終了後には、アンケートに答えていただいた方に、コードを抜かずに電源をオン・オフできる省エネコンセントをプレゼントしました。


主催者あいさつ

横倉 尚 会長

ねり☆エコ横倉尚会長の挨拶

 2月は省エネルギー月間、そして6月は環境月間です。ねりエコではこれらに合わせて講演会を企画しています。平成28年2月には、電力小売自由化についての講演会を開催しました。

 平成29年の今年、4月には、いよいよ都市ガスの小売自由化が始まります。電力小売自由化からの1年が、社会にどのような変化をもたらしたか、関心のある方も多いと思います。

 エネルギーについては、電気、ガスともにほかの産業とは違い、政府の規制があるため、今までは利用者が自分で選べる仕組みにはなっていなかったわけですが、やっと電気やガスも利用者が選択できる範囲が広がりつつあります。そして、これが世界的な大きな流れになってきています。エネルギーの自由化には20年くらいかかっていますが、日本より少し早くスタートした欧米でも、同様です。

 家庭の中で、光熱費の占める割合は大きいですが、いざ、電気やガスが自由に選べるとなったとしても、知識やスキルには乏しいのが現状です。われわれも理解を深め、それを自分の生活の中に取り込んでいくためには、全体を理解してスキルを身につけることが大切です。今日は、お二人の講師から、それぞれの立場で、経験を踏まえて、賢く選択できるスキルを身につけるためのお話をお聞きしたいと思います。


第一部 基調講演「進むエネルギー改革〜何を選び どう使う〜」

巻口 守男 氏

講師:巻口 守男(まきぐち もりお)氏
   エネチェンジ株式会社 副社長
   消費生活アドバイザー

【プロフィール】
東京工業大学大学院を卒業後、東京電力(株)に入社。以来、約40年間を電力業界で過ごす。平成27年から、エネチェンジ(株)の副社長に就任。電力業界での知識・経験を基に、電気をお使いの全ての方に電力自由化のメリットを享受していただけるよう、メディアでの解説や講演活動を行っている。

資料1


資料2

 日本における電気の自由化は、1996年より段階的に実施されてきました。電力を作るところが自由化されたのが1996年。小売りの自由化は2000年に始まり、まずは大きな工場などが対象となりました。次に2004年から商店、スーパーなどで自由化されて、2016年に家庭用の自由化がスタートしました(資料1)。

 欧米諸国も20年かけて進めてきており、イギリスが2002年、アメリカが1998年から始まっています(資料2)。

 この20年間で、電力自由化により欧米諸国で何が起こっているか、簡単にいうと、自由になって値段が下がってきたこともありますが、実際には値段が上がってしまうというケースもあります。

 自由化は弱肉強食です。資本力、人材、技術のある大きな会社が残るわけです。最初は何十社とあっても、10年経って生き残っていたのは、3、4社という例もあります。

 そうなると硬直化して、いったん上がった値段は下がりにくい、ということになります。その弊害をどうしようということで試行錯誤が続いているのが現状です。

資料3

 新しい電力会社を選んだ時に、停電が起きやすいのではないか? といった質問を受けますが、基本的にはそのような心配はありません。電気の場合は、水力、火力、原子力、あるいは太陽光など発電のところは自由化されていますが、送配電の部分は自由化されていません。従来通り東京では、東京電力が管理しています。社会的なインフラは共有財産なので、みんなで仲良く使いましょう、となっています(資料3)。

 電力会社ごとに電柱を立てたのでは、社会にとっては二重投資になるため、同じ電柱、同じ電線をみんなで使います。2016年4月からは、小売りの部分が自由化になったということです。

 何十社ある電力会社が、電線の使用料をみんなで負担して、同じ電気を皆さんに運んでくることになるので、条件は同じで、皆さんのご家庭に届く電気の品質も同じものということです。

 太陽光発電が100%ほしいという方がいますが、それはできません。独自の電線を引けば可能ですが、それは許されていないので、実際に届いている電気は、送配電の時に太陽光も水力も火力も全て混じったものになります。

 但し、太陽光で電気を作っている会社と契約している場合は、そのお金は太陽光発電のために支払われています。

 現在、送配電部分は既存の電力会社の独占が認められており、政府により規制されています。東京電力では2016年4月から「発電」、「送配電」、「小売」と部門別に分社化しており、2020年には完全に別会社になる予定です。

 あと心配されるのが、自分の契約した会社が事故を起こしたり、つぶれたりした場合はどうなるの? 安定供給はできるの? ということでしょうか。

 ご安心ください。たとえ契約した会社がつぶれても、送配電を管理している東京電力が安定供給するので、私たち消費者には直接関係ありません。契約は東京電力に戻ります。その時には、東京電力へ連絡してください。金額が変わってしまうことはあります。安い会社と契約していた方は値段が上がるということもありますが、別の小売事業者と契約することもできます。

資料4

 私たちにとっての電力自由化は安いプランを選べるのがメリットですが、政府の考え方は少し違います。ライフスタイルに合った、皆さんがほしいと思う電気を選ぶことができます、というのが自由化の基本と考えています。なお、好きなサービス、好きな発電方法を選ぶこともできます。(資料4)

 課題としては、すべての地域で自由化が進むわけではないということが一つです。練馬だと約50社何百プランという中から選べますが、同じ東京の中でも八丈島などは参入する会社がない、選ぼうとしても選べない、というのが実情です。

 高圧電気の供給を直接受けている一部の集合住宅などは、既に前から自由化されていましたので、個別のご家庭が新たに選ぶことはできません。また、契約して初めて電気がきますので、今までのように電気が通っていることが当たり前の状態とは異なるため、引越しの時などはしっかり契約する必要があります。

資料5

 電力自由化がスタートした4月から12月3日の時点までで、契約の切り替え件数は257万件。4.12%の方が新電力に移行しています。(資料5)

 さらに内訳をみると、東京電力管内で6.29%、これに東京電力の自由化メニューに切り替えた人を含めると、おそらく9%くらいです。従って、東京電力管内ではこの4月には10%を超えると思われます。

 北陸電力をみると1%未満です。この地域はもともと電気が安いため、参入する会社も少なく切り替えが進んでいません。電気が安い理由は、主要電源が石炭火力、水力発電であり、これが8割以上を占めているからです。そういう意味では、中国・四国電力圏内も同様で、自由化の全国的な浸透状況はまだらな状態です。

資料6


資料7

 自由化により電気が安くなるのはどうしてか? といった質問を受けます。それは、電気料金の構成にあります。電気料金は、使用料が少ない人には安く、多く使う人には割高になるように設定されていました。3段階構成になっており、エネルギーを大切に使いましょう、と政策上考えられたもので、電気を使えば使うほど高く設定されていました。(資料6)

 電力を作り出すコストとしては、量が多くても少なくても一緒です。ところが今までは、電気料金は使えば使うほど高くなっていたので、たくさん使う人達に割り引く余地が出てきたのです。そして、あまり使っていない人達はコストと値段が変わらないので割り引けない、そういう構図になっていました。ですから、自由化では、各社とも電気をたくさん使う人が安くなるプランが多いのはこのためです。(資料7)

 これまで、私たちは平均年間15万円くらいの電気代を使っていました。今回、平均年間10万円(月平均8〜9千円)の人たちを一つの目安として、これより多い人は変更するとメリットがあり、少ない人はあまりメリットがありません。ただ、電気をたくさん使う人はお金にゆとりのある人なのに、そちらにばかりメリットがあって、毎日節電している人に何のメリットもないのでは、自由化しても…という声もあり、電気料金にガスや通信料金を付けてセット割としている会社もあります。

 さて、ここからは私の勤めているエネチェンジの話になります。電気代の見直しができる比較診断サイトで、毎月170万人以上の方にご利用いただいています。80社658プランの中から、公平・中立な立場で、各ご家庭に最適な電気料金プラン選びをお手伝いしています。

 郵便番号で絞り込むと、関東地方だと54社222プランがあります。その中から家族構成や電気の使い方などを考慮して、ランキング形式でご提案するのが当社のサービスです。222もあると悩みますが、上位の3〜4社からであれば、各家庭のライフスタイルにあったものを選ぶことができるようになると思います。電気代そのものが安いプラン、電気とガスをまとめたおトクなセットプラン。昼間のピークカットに貢献しながら、夜、電気を使うとおトクなプランなど、ご自分で考えて選んでみてください。また、電源構成を開示している企業もありますので、料金の安さだけでなく、発電手段なども選ぶポイントの一つになります。再生可能エネルギーなど、地球にやさしい、環境に配慮した電気を選ぶこともできます。

資料8

 では、半年経って実態がどうか、「当社で検討して結局切り替えなかった人の理由」ですが、
・しばらく様子を見たい 69.9%
・期待より安くならなかった 29.3%
・選択肢が多すぎて選べなかった 20.5%
・変更の手続きが面倒だった 10.9%
となっています。(資料8)

 また、9月に資源エネルギー庁が実施した、契約した人へのアンケートによると、「契約してよかった」人が88.6%。約9割です。

 前の調査で、手続きが面倒そう、といって手を付けないという人も多かったようですが、実際に電力会社を切り替えた方への調査では、80%以上の方が「手続きは簡単だった」と回答しています。手続きにかかった時間も60%が「30分未満でできた」と答えており、実はそんなに面倒ではないという結果が出ています。

資料9

 料金プラン変更後の生活変容として、半数強の方が「電気代が安くなった分、他のことにお金を使えるようになった」、「節約意識が高まった」と生活に変化があったと回答しています。(資料9)

 まとめますと、全国で6%、首都圏で8%の方が新電力に切り替えており、徐々にしっかり浸透していっているという印象です。また、変更した方の9割が「やってよかった」と実感しており、「エネルギーについての思いも確認できた」し、「いいことをしている」という思いがあるようです。

資料10

 そして、いよいよガスの話ですが、2017年4月に都市ガスも小売自由化されます。都市ガスの流れは、中近東やインドネシアなどから、タンカーでLNG(液化天然ガス)を輸入し、基地のタンクに貯蔵し、その後で臭いをつけたり熱量調整をし、導管を通して各家庭に供給します。ガスの自由化も電力と同じで、家庭に届けるところだけが自由化されるだけです。ガスを送る導管部分は、従来通り東京では、東京ガスが管理します。電線と同様に、導管の使用料をみんなで負担し、みんなで仲良く使いましょうということです。よって、品質は変わりませんし、ガス会社がつぶれてもガスが止まることもありません。(資料10)





 少しだけ電気と違うのは、ガスは爆発のリスクがあるため、保安対策が必要だという点です。臭いがするから来てほしいなど、緊急保安は東京ガスが担当します。家庭の中の基本的な定期点検は小売事業者が担当します。保安体制をもった会社でないと小売りができないため、電気よりは参入が難しいようです。

 もう一点、電気は売買ができる卸売市場が確立されていましたが、ガスに関しては整備されていません。自分でLNGを調達してくることは事実上不可能です。このようなことからガスの参入状況は、現在15社くらいに留まっています。

 ガス自由化のメリットは、ガスと電気がセットで安くなる、お得度が倍になる構造ができたことです。

 課題としては、緊急保安は導管事業者の東京ガスが対応し、コンロが壊れたなどの緊急性が低いものは小売事業者が対応するので、連絡先がわかりづらいことなどです。

 エネチェンジでは、ガス料金プランの比較も始めました。電気・ガスのセットでいくら安くなるかも比較診断できるようになります。欧米では、セットプランが主流になっています。

 天然ガスは、もとは火力発電のために輸入されていたので、日本のガスの輸入先は、ほとんどが電力会社でした。よって、現時点では、東京電力、中部電力、関西電力、九州電力が、ガスの自由化に参入すると言っています。更に、保安体制が確立しているプロパンガス会社のニチガスが参入してきます。LNGを多く輸入している会社と、保安体制を持っている会社が提携して参入してくるのが現在の状況です。

 東京ガスはガス料金を下げてお得になるプランを平成29年の年明けに発表しました。おそらく東京電力は、この7月に何かプランを出すと思われます。そうすると、東京ガスも何か新しいプランを打ち出してくるだろうと予想しています。関西については、既に関西電力が関電ガスとしての料金プランを出し、大阪ガスも新料金プランを発表しています。

 最後にお願いしたいことは、エネルギーは大事に使うものであるということ。安くなるからたくさん使うのではなく、省エネしながら、さらにお得度の高い、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。安いからむやみに電気を使うことは避けてほしいです。そんな観点で、新しい会社を選んでほしいと思います。

当日の資料はこちら(PDF)


第二部 講演「賢く使って、地球にも家計にもやさしい生活」

大島 京子 氏

講師:大島 京子(おおしま きょうこ)氏
   消費生活アドバイザー

【プロフィール】
「かながわ環境活動支援コーナー」アドバイザー(地球温暖化防止活動推進員)。節電や家庭の省エネに造詣が深く、講演やメディアで紹介をしている。また、うちエコ診断士として家庭の省エネ診断を行い、実践的な節電、節エネ、CO2削減へのアドバイスを行っている。

 省エネ講師として約20年になりますが、私は、自分が実践していることを常々お話してまいりました。20年近くやっているとマンネリ化してくるのですが、それが変化したのが平成23年の東日本大震災の時でした。電力の供給不足に対応するため、国から電力使用量15%の削減が求められ、私自身も省エネに取り組み、約20%の節電に成功しました。その時の事例を紹介しながら、今日は進めていきたいと思います。

資料1

 まずは、我が家の省エネお助けグッズを紹介します。(資料1)

左:タイマー
料理をする時に使っています。時間を計ることで省エネクッキングになります。

中:温湿度計
温度だけでなく、湿度も大事です。 リビング、寝室、いろんなところに置いて、いつもチェックをしています。

右:簡易電力量計
どの家電製品が何ワット使っているかを測れるので、消費電力量を知ることができます。これが省エネに役立っています。

 我が家の電気使用量ですが、震災を境に、もう一度スキルを考えて更なる省エネを実践しました。その結果、ひと月に、震災時は130kwh使っていたのが、100kwhを切るくらいに下がりました。

資料2

 実際に震災後に行ったアクションについては、以下の3つになります。(資料2)

1、暮らしの工夫エコ
2、機器の買替エコ
3、ガスパワーを活用

 どんな工夫をしたかと言うと「簡易電力量計」を使って、我が家の家電製品はどれだけの消費電力があるのかを調べました。具体的にはヘアドライヤー、掃除機など「強」で使うものを「弱」にしたり、時間を短くするなどの工夫をし、消費電力を低く、時間を短く、ということを意識しました。
消費電力量(Wh)=消費電力(W)×時間(h)
消費電力を低くして、時間も短くすれば当然、消費電力量は小さくなり省エネになります。

 では、消費電力と時間を意識しながら考えてみてください。

資料3

Q:液晶32型テレビ、1日1時間見る時間を減らす、画面の輝度を最大から中央に下げる、どちらが省エネになるでしょうか?(資料3)
・時間を減らす
・明るさを減らす

○1日1時間見る時間を減らすと年間で16.79kwhの省エネ(約370円の節約)。
○画面の輝度を最大から中央に調節した場合、年間で27.10kwhの省エネ(約600円の節約)となります。

 我が家はテレビが大好きなので、時間はなかなか減らせないため、輝度を下げることで対応しました。これは慣れると支障がなく、無理なく続けられました。

資料4

Q:エアコンと電気ストーブ
1時間あたりどちらが電気代がかかるでしょうか?(資料4)

○エアコン暖房 約2.8〜53.5円(10畳用)
○電気ストーブ 約27円(消費電力100W)
で計算します。

 エアコンは、住宅の状況や、外気温によって大きく違いますが、電気ストーブは状況で変わることはありません。

 エアコンには、エネルギー効率が高いヒートポンプという技術があるので、上手に使えばストーブよりずっと省エネになり、お安くなります。
おすすめBOOK40頁掲載

資料5

Q:家庭で電気を一番使う家電は何でしょうか?(資料5)

 冷蔵庫、照明、テレビ、エアコンの順番で、合わせて43.9%。家庭で使う電気の半分近くを使っています。冷蔵庫は365日スイッチを切ることはありませんし、照明器具も毎日使うものです。そのため、私は冷蔵庫と照明器具を買い替えました。

 照明器具は、人が長くいる場所のものを買い換えるのがポイントで、我が家の場合はリビングの照明を取り替えました。LEDシーリングライトに替えたのですが、節電モードがあり、調光ができるので、これでさらに大きな省エネになりました。

 そして、10年以上前の冷蔵庫も買い換え、消費電力が半分以下になりました。冷蔵庫は一年中同じ消費電力ではなく、夏になると暑いので、冷やそうとして消費電力が大きくなりますが、買い替えたことで大きく抑えられました。冷蔵庫の省エネはとても進んでいます。

資料6

Q:暖房と冷房 どちらがエネルギーを使っているのでしょうか?(資料6)

 圧倒的に暖房です。年間平均、暖房24.0%、冷房2.3%、そのため、暖房の省エネを意識すると効果は大きくなります。その一つの工夫として断熱がありますが、冬の暖房の熱は、窓から流失する割合が58%もあります。我が家では、緩衝材(ぷちぷち)を窓にかけて長いカーテンにしています。

 それと冬は特に給湯です。給湯は年間平均28%の消費量ですから、冬はここを意識すると省エネできます。

 シャワー派の我が家では、節水シャワーヘッドにしたら省エネになりました。節水もでき、ガス代も減ったため大きな光熱費削減につながりました。

資料7

 ガスも活用しました(資料7)。炊飯器を圧力鍋に替えたところ、3合炊くのに炊飯器では50分かかっていたのが、圧力鍋では25分で炊けて、調理時間も半分になりました。また、ガスグリルで毎朝トーストを焼いています。

 その他にも、鍋を使う代わりに、フライパンでお湯を沸かしてパスタをゆでるなどの工夫をして、かなり電気代は減りました。ガス代が増えたかというとこちらはほとんど変化がなく、電気とガスのトータルで減らすことができました。

資料8

 電力の自由化、ガスの自由化が起こっても省エネは基本です。特に資源の少ない日本では、エネルギーを大事に使うことが大切です。(資料8)

 電力自由化で従来のメーターから、スマートメーターに切り替わっているお宅も多いと思いますが、パソコンにつなげると電気の使用量を見ることができます。使用量を見ること、知ることで、自然に省エネを意識します。もし、省エネをしたくなったら、ライフスタイルを見直してみてください。そして、今日、今からでも始めてみてください。

 私たちの時代で資源を使いつくすことはやめましょう。少しでも資源を大切に使いましょう。今日お話ししたことを、一つでも参考にしていただけたらと思います。

当日の資料はこちら(PDF)


第三部 質疑応答









 事前にいただいた質問や休憩中にいただいた質問にお答えしました。

Q:FIT(フィット)電気とは何ですか?

巻口氏:再生可能エネルギー全般ですが、太陽光発電などそのまま導入しようとすると、技術開発が進んでいないためコストが高くなります。普段、ご家庭に電気を供給するとき、平均で1kwh 20円、25円なのが、太陽光発電となると50円、60円になります。風力、地熱についても同じです。コストがかかるため競争力がない、技術開発が進まない、開発に投資するお金がない。そこで、国の政策としてコストの高い部分を補ってあげましょう、と仕組みができました。

 では、その補助金はどこから出てくるかというと、皆様がすでに電気料金の中で負担しています。検針票を見ていただくと、「再エネ賦課金」という項目があります。平均家庭で月600〜800円負担しています。発電事業者に、コストの高い部分を補助金として出してあげる、という仕組みです。これが「FIT制度」で、この制度を利用して買い取られた再生可能エネルギー電気のことを「FIT電気」と言っています。

 制度的にもジレンマがあり、震災直後の2012年に制度が始まった頃は、皆さんのご家庭では100円以下の負担だったのが、今では太陽光パネルを設置し売電をする人たちが増えたので、当初より6〜8倍くらい多く負担しています。

 この「再エネ賦課金」の負担額がさらに増えていかないためにも、FIT制度のルールをどうするか、いろいろと議論されているところです。

Q:ガスの自由化といっても小売事業者が少ないが、自由競争になるのか。海外の事例があれば知りたい。

巻口氏:海外は、電気とガス事業がセットで一つの会社になっています。そのため、電気とガスの自由化は同時に起こります。そういう意味では、多様性があり参入しやすいです。

Q:エネチェンジに相談すると費用がかかりますか?

 無料で情報提供します。当社で検索し、そのまま当社の比較サイトからお申込みいただければ、申し込んだ先から紹介料をいただきますので、皆さんは無料でご利用いただけます。
https://enechange.jp

Q:光熱費を下げる工夫はどんなものがあるのか? エアコンや暖房の上手な使い方も知りたい。

大島氏:光熱費を下げる工夫については、水を節約することも必要です。東京都水道局の調べによると、家庭での目的別使用は、お風呂40%、トイレ22%、炊事17%、洗濯15%になっています。例えば、お風呂のお湯は洗濯に使う、節水シャワーヘッドを使う、トイレの大小の使い分けをする、流しっぱなしにしないなどをすると、光熱費が下げられます。

 また、エアコンの使い方ですが、付けっぱなしと、その都度付けたり切ったりするのはどちらがいい?と聞かれることがあります。エアコンは立ち上げて設定温度に上げるまで、電力を多く使いますが、設定温度になると少ない電力で一定です。30分以内で付けたり消したりをするよりは、連続運転にした方がよいと思います。また、20〜30分は余熱があるので、早めに切る、という方法も省エネになります。

巻口氏:スイッチを切ったり入れたりは電力的にもそうですが、機器の寿命にも関係すると思います。いい例が蛍光灯で、付けたり消したりで電気代は安くなるかもしれませんが、蛍光灯の寿命は短くなります。そういう意味では、機器代と電気代のトータルコストでどちらがいいのかよくわからないと思います。

 よく言われているのは、エアコンは30分以上家を空けるのであれば切った方がいい。蛍光灯は15分以上使わないなら消した方がいい。そんな感覚です。

大島氏:蛍光灯の寿命は短いですが、LEDは4万時間もつと言われてますので、長い目で見たらLEDの方がいいと思います。

巻口氏:使い分けとしては、普段よく使うところは蛍光灯、あまり使わないトイレなどは白熱電球など、工夫したらいいと思います。我が家は、エアコンは扇風機と一緒に使っています。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に行きますので、扇風機で空気を回してあげると、2、3度体感温度が変わってきます。

 お湯の沸かし方では、ポットでお湯を沸かすのも結構無駄なので、電子レンジで飲む分だけ温めています。他には、トイレのフタは必ず閉めます。便座のフタを閉めると保温効果があります。こういう工夫を一つひとつマメにやっていくと、ライフスタイルを変えることなく取り組めます。そのためには、奥様の男性へのしつけが大切です(笑)。

Q:オール電化の家庭にガスの自由化のメリットはあるのか?

巻口氏:全くありません。節電は聞くけれど、節ガスとは聞きません。これからは節エネの時代です。家庭のエネルギーを、ガスも電気も両方上手に使って節約しましょう。

 そうした中に、節エネの一つの方法としてオール電化があって、昼間の高い電気をいかに使わないようにするかなど、省エネの工夫をすることだと思います。

Q:再生可能エネルギーを選びたいがどうしたらいいか?

巻口氏:電源は何かを見ていただきたいです。少しでも地球にやさしいものを使いたいなら、電源構成を意識して電力会社を選んでほしいと思います。

Q:家庭でソーラーパネルなど創エネ機器を入れる場合、どうしたらいいか?

大島氏:4年くらい前に太陽光発電のガイドブックを作りました。その時に設置を考えていた方は、元を取って更にお財布に余裕ができれば、という方もおりましたが、半分くらいの方は、自分の家で電気を作って使えることに喜びを感じる方でした。

 最近は売電価格も下がっています。お金が儲かる、儲からないではなくて、自分の家でエネルギーが作れる、それに喜びを感じてもらえたらと思います。

 「エネファーム」というものの名前は知っていても、実際にどんなものかご存じない方もおられると思います。

 これは太陽光発電と比べて、天候には左右されません。メリットとしては、自分のところで発電して、発電の余熱を給湯に使うということなので、送電ロスも少ないし、高効率です。

 デメリットは、導入価格が150万円以上と高額ですので、費用対効果は低くなります。太陽光発電と違って売電はできません。ガスから水素を取り出して酸素と化学反応させて発電しているので、燃料は天然ガスで、輸入価格にも影響されます。そして、なによりもお湯の使用量に合わせて発電するので、太陽光ほど発電量がありません。でも、これを付けた方は、満足感が高いです。費用対効果ではなく、自分のところで電気を作る、それによって電気代が下がる、というところに満足感をもっていました。

 こういう機器は余裕がある方が、エネルギーを大切に使うという意味で、導入していただけたら、と私は思っていますが、巻口講師はいかがでしょうか?

巻口氏:現在、燃料電池(水素)自動車なども出てきており、何十年後かには水素社会の時代になっていくと思います。しかし現状、技術開発が追いつかず、エネファームは補助金を入れても100万円を切りません。お金のことだけを考えると、100万円の元をとるためには10年以上かかります。ただ満足度という意味では、遠くない将来に、こういう世の中が来るわけだから、自分たちがこれを使うことで支援していこう、加速させていきたい、という思いでやられるといいと思います。

Q:原発の廃炉費用を上乗せするのはおかしくはないでしょうか?

巻口:会場からの質問でこれが一番多かったということで、お答えします。

 東京電力が廃炉費用を皆さんからもらっているのが現状です。今までは、小売りの部分で負担していただき、これからは、送配電部分で負担してもらいますので、新電力会社にも負担してもらう、という考え方です。廃炉費用は、使った電気に対しての負担のため、過去分を負担するのは新電力も一緒、というのが主旨です。

 廃炉費用には、処分費を含んでいます。石油や石炭火力などは廃炉処分をしていません。なぜかというとCO2として大気に開放してしまっているからです。その分地球に負荷がかかっています。CO2を回収する必用があるのでは、と議論もされています。そのためには炭素税が必要ということで、現在、検討中です。地球に負荷をかけないでエネルギーを上手に使っていただくために、環境を考えて、それをいかに維持するかが考えられています。

 電源には、メリット、デメリットがあるので、皆さんが注意深くみて、声を上げていくことで、制度設計が変わっていきます。エネルギーは大切です。料金だけでなく、常々動きを監視してほしいと思います。

Q:50、60ヘルツが東西分かれていますが、統一する動きはありますか?

巻口氏:結論から言うと、それは無理です。先進国の中で、東が50ヘルツ、西が60ヘルツになっているになっている国は、日本くらいです。明治時代の電気を作る時に、輸入した機械が東西で違っていたからです。電灯事業発祥時の会社が、関東では、ヨーロッパから発電機を買い、それが50ヘルツだったので、今でもそうなっています。

 関西地方の場合は、アメリカから発電機を買い、それが60ヘルツでした。静岡県の富士川を境に、東は50、西は60ヘルツと分けました。戦争直後、統一の動きもありましたが、できずに、今もそれぞれが精密なシステムになっているため、統合はできません。現在は、50から60ヘルツへの変換装置を拡大しようという動きはありますが、これも何兆円というお金がかかるので、なかなか難しいです。

 最後にお二人の講師からメッセージをいただきました。

大島氏:省エネについては、耳にタコの方もいらっしゃるかもしれませんが、何かをきっかけに取り組まないと、ライフスタイルを見直したりは、なかなかできないと思います。今日の話をきっかけに、検針票を見たりして、ライフスタイルを見直していただきたいと思います。

 省エネは自分のお財布には大した変化がないから意識できない、という方もおられますが、近いうちに節約した電気が売買される、という時代が来ます。是非、社会情勢を気にしていただきたいと思います。

巻口氏:スマートメーターの話を一切しなかったのですが、電力自由化では、各ご家庭に遠隔操作ができるスマートメーターが入るというのが一つの前提になっています。30分おきに電気の使い方が見えるようになるものです。人間というのは、見えるようになると、ではどうしよう、と気になるものです。是非、スマートメーターのデータをパソコンで見てください。照明を一つ消せば、電力使用量が下がるのがわかります。エネルギーに敏感な生活をお願いしたいと思います。

 また、「ネガワット取引」も始まります。夏の暑い日に50kwhだったのを40kwhに下げ、その余剰分を第三者の消費分に回します。このマーケットが10kwhから1000kwhと大きな単位になっていきます。

 石油は今、たまたま安いところに来ています。世界情勢によってエネルギー価格は動き、社会情勢に敏感です。エネルギーを通して社会情勢をみていただくとよいかな、と思います。社会と密接しているので、これからも注目してください。

 巻口氏、大島氏をはじめ、ご参加いただいたみなさま、ご協力いただいた多くの関係各位に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。